2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520734
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
深澤 安博 茨城大学, 人文学部, 教授 (60136893)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 20世紀スペイン / 植民地戦争 / スペイン領モロッコ / 徴兵制 / 原住民兵 / 原住民統治 / 軍アフリカ派 / モーロ人 |
Research Abstract |
当該年度の研究は、第1に、「平定」期のスペイン領モロッコではどのような植民地統治=「原住民」統治が開始されたのか、第2に、植民地統治の軍事力としての「原住民」兵とスペイン兵の意義、第3に、植民地戦争を遂行しそれに勝利したアフリカ派軍人たちの性格と存在意義、とくに軍アフリカ派がスペイン軍内で優位に立つことになり、スペイン政治・社会においても大きな意義を有することになったことを解明することを目的とした。①「平定」後のスペイン領モロッコでは「モーロ人」を「原住民」化する政策がおこなわれた。それらはとくに厳格な身分証明書の発行、課税、土地政策に表れた。日常的な用語でも「原住民」と「ヨーロッパ人」の使い分けがおこなわれた。②他方で、スペイン領モロッコは植民地軍形成の本拠となった。これは主に本国からの徴募兵と「原住民」兵で構成された。スペイン領モロッコは本国で起きた反乱を鎮圧するための、また本国の内戦に「原住民」兵を動員するための一大軍事基地となった。③スペイン領モロッコを「平定」したことで、スペイン国家はタンジールの併合要求など以前より攻勢的な対外政策を展開するようになった。また、アフリカ派軍人たちを介して、モロッコでの植民地支配の暴力と暴力性がスペイン本国にももたらされることになった。 以上の研究はスペイン陸軍史料館(スペイン、マドリード)にマイクロフィルムで所蔵されているモロッコ植民地「平定」関係文書の閲覧と検討によって可能となった。さらに、スペイン国立図書館旧アフリカ資料室、スペイン陸軍史料館に付設されている図書室、マドリード市立新聞資料館の各所蔵資料の閲覧・検討によって可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)