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2011 Fiscal Year Annual Research Report

東アジアの鉄精錬に関する考古学的研究

Research Project

Project/Area Number 22520766
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

古瀬 清秀  広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70136018)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 野島 永  広島大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (80379908)
竹広 文明  広島大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (60252904)
Keywords鉄生産 / 鉄精錬 / 卸し(下し) / 古墳時代 / 古代 / 中世 / 近世 / 韓国
Research Abstract

本研究はわが国で製鉄が開始された後、産生鉄がいかなる技術で精製され、鋼として利器等の道具に生まれ変わったのかを考古学的に明らかにすることを目的としている。昨年度には精錬を行うための原料として、わが国で製鉄の始まった古墳時代の製鉄炉を復元し、還元鉄を作り出した。本年度はこの還元鉄を原料に、精錬して鋼を作る実験を行った。昨年度から鉄精錬に関する考古資料を集成しているが、現在のところ、平安時代から中世にかけてと、近世の精錬炉が確認できた。わが国では最初の製鉄が低温個体鉄の形で産生されたので、それに沿った精錬法を復元することを目的に実験した。さらに平安後期以降は高温液体鉄生産が始まり、銑鉄生産が主流となったので、その精錬法を合わせて2種類の実験を行ったが、銑鉄については実験炉で作り出せていないので、五右衛門風呂と呼ばれる円形風呂釜片を使用した。
中世には竪形炉が精錬に使用されていたことが判明しているので、本来はこの炉形での実験が望ましいが、今回は円形ボール炉で行った。その結果、基本的には現在の刀工が保持する卸し(下し)の技術が使われたであろうことは推測でき、錬鉄、銑鉄ともに一定の成果を得ることができた。ただ、精製鉄の成分分析を実施していないので、炭素調節に成功したのかどうかはまだ未確認である。また、銑鉄の精錬が中世の竪形精錬炉が使用されたとすると、近世の卸し技法とは異なる方法が存在したことになる。この辺りの整理が必要である。
なお、朝鮮半島の製鉄、精錬については、本年度中に北九州市立いのちのたび博物館で鉄生産と精錬をテーマに国際シンポジュームを開催し、韓国の現在の当該研究の到達点について情報交換ができたことは今後の研究推進に大いに寄与することが期待できる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

最近の発掘調査による考古資料増加により、これまで不明であった精錬炉が多く確認できるようになったことで、製鉄から精錬の流れが明確になりつつある。また、朝鮮半島の研究が進展し、そこでの製鉄から精錬に至る経緯もわかるようになったことが大きい。

Strategy for Future Research Activity

これまで製鉄、およびその産生鉄の精錬の実験を繰返してきた。その結果は、考古学的な遺跡、遺構での在り方と大きくは異ならないことが判明してきた。ただ、古墳時代の鉄と朝鮮半島との関係、奈良・平安時代から中世に至る、製鉄と精錬の関係など通時的な理解にはまだ、考古資料での蓄積が不足している。したがって、今後はそうした資料の増加を待ちたい。、

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Published: 2013-06-26  

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