2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520777
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
矢野 健一 立命館大学, 文学部, 教授 (10351313)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 縄文 / 弥生 / 水田 / 立地 / 突帯文 / 長原式 / 水走式 / 近畿 |
Research Abstract |
本研究は、縄文時代晩期から弥生時代前期にかけての遺跡立地の変化を分析し、水稲耕作普及と遺跡立地変化が関係することに注目して、遺跡立地の変化からみて水稲耕作普及の実態を明らかにすることを目的としたものである。遺跡の時期は出土する土器から特定することになる。 昨年度までは、京都盆地と阪神間の遺跡データベースと文献リストを作成し、2万5千分の1の地形図と土地条件図に遺跡の位置を落としていった。今年度は大阪平野について作業を同様の作業を進め、遺跡データベースと文献リストを作成し、2万5千分の1の地形図と土地条件図に遺跡の位置を落とした。また、発掘が多年度にまたがる遺跡については、年度ごとの発掘区を地図に落とした。また、京都盆地と阪神間のリストを補足した。この結果、京都盆地、阪神間、大阪平野に関しては、全体の遺跡分布を時期ごとに追うことが可能になった。 遺跡の時期を決める手がかりとなる土器編年(土器の時間的推移)については、特に、(1)縄文晩期長原式以前の突帯文土器、(2)長原式、(3)長原式に後続する水走式、(4)弥生時代前期初頭、(5)弥生時代前期中頃以降、の段階に分類し、遺跡推移の立地を追った。その結果、長原式以前から長原式にかけての突帯文土器の遺跡は比較的標高の高い丘陵部にも多く分布していることがわかった。弥生時代前期になると、そのような比較的標高の高い場所の遺跡は激減し、低地部に新たな遺跡が増加する。問題は(3)の長原式に後続する水走式の時期で、遺跡数が少なく、しかも1遺跡の出土量が少ない。 確実に言えるのは、長原式までの縄文時代晩期の遺跡立地と弥生時代前期の遺跡立地が大きく異なるという事実で、近畿地方における水田の普及は弥生時代前期からである可能性が高い。その境界時期の評価は解釈が分かれようが、遺跡数が激減している可能性が高いと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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