2011 Fiscal Year Annual Research Report
改正まちづくり三法と歩いて暮らせるまちづくりの経済地理学
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22520783
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
山川 充夫 福島大学, 経済経営学類, 教授 (00094285)
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Keywords | 改正都市計画法 / 歩いて暮らせるまちづくり / 福島県伊達市伊達町 / 市民協働 |
Research Abstract |
2008年5月に改正された都市計画法は都市構造を拡散型から集約型へと転換させる画期的な意義を持つ。その具体的イメージは「歩いて暮らせるまちづくり」である。この歩いて暮らせるまちづくりは21世紀中葉までに実現を迫られている低炭素社会でのあるべき都市構造でもある。歩いて暮らせるまちとは自家用車に依存せず、二酸化炭素の排出が相対的に少ない歩行・自転車、電車やバスといった公共交通を利用する生活様式に転換することを意味している。同時に歩いて暮らせる範囲内に少なくとも最寄的に必要とされる買物及び公共的サービスが提供される中心性を持つ諸施設の立地が集約されている必要がある。 高齢社会にあっては日常的な買物サービスとともに健康・医療・福祉サービスを最寄的に提供を受けることができることが地域生活の質を決めるものである。高齢社会で欠かすことができない福祉等の複合的サービス拠点の形成について、偶然にも地区内にある遊休市有地を市民協働方式によって実現しようという、福島県伊達市伊達駅前地区の取り組みを検討した。伊達駅前地区は町内会活動が活発であり、20年ほど前から地域づくり・まちづくりに積極的に取り組んできた。遊休市有地を健康・福祉・防災・交流など複合的施設・空間として活用しようという動きは2003年から本格化した。4町内会連絡協議会などの地域組織が中心となり、市役所や介護施設等のNPO法人を巻き込んで、アンケート調査や現地調査、ワークショップなどを進め、シンポジウムを開催し、伊達市長への積極的な提案活動を行ってきた。これらの活動は2008年の伊達市細谷地区市有地活用委員会による『伊達市細谷地区市有地活用提言書-市民協働で創る 和らぎと安全な市有地活用-』に集約されているが、こうした活動は伊達市における市民協働の先導的なモデルとして注目される(研究論文「歩いて暮らせるまちづくりと市民協働」を参照のこと)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実態調査に基づき、市民協働の仕組みを活用しながら、進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は第3課題「商業配置と地域公共交通」の調査研究を行う。ただし、調査対象地域には東日本大震災・東電福島第一原発の破たんの影響が大きくあるので、この点をも考慮した調査を実施したい。
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Research Products
(18 results)