2014 Fiscal Year Annual Research Report
移動距離の生涯変動に関するモデル化と比較分析に基づいた空間行動理論の確立
Project/Area Number |
22520790
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉浦 和子 京都大学, 文学研究科, 教授 (50155115)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 移動空間 / 年間変動 / 男女差 / 人口分布 / 福井市 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、2001年から2009年までの福井市内の48地区単位で集計された都市内移動・県内移動・県外移動のデータを用いて、移動空間の広狭が移動行動とどのように関わるか、移動の季節変動や都市内人口分布など、時間と空間の両面からの分析を中心に行った。具体的な課題は次の3つである:(1)移動頻度の一年周期の変動を分析する。市内・県内・県外という移動の空間スケールの違いに応じて特有の周期変動が見られるかどうか、また、男性と女性、転出と転入とで周期性パターンに違いがあるかどうか、明らかにする。(2)人口分布に対する人口移動の影響を分析する。市内の小地区単位での社会動態に基づいて、転入超過地帯と転出超過地帯を明らかにし、人口分布の空間的変動への影響を検討する。すべての移動についての分析の他、市内・県内・県外という類型ごとの分析を行うことで、移動の空間スケールによる影響を受けているかどうかを検証する。(3)地区の人口属性に対する人口移動の影響を、性比(女性100人に対する男性人数)をとりあげて分析する。地区ごとに、転出人口の性比と居住者の性比、また、転入人口の性比と居住者の性比との関係を検討し、人口移動により居住者の性比が変化する可能性があるかどうか、明らかにする。分析の結果、つぎのような点が明らかになった。(A)市内移動と県内移動、県外移動、それぞれの移動頻度には、異なる特徴的な年間変動パターンがある。(B)県外移動の転出ピークは転入ピークに先行する。(C)市域中心部は転出超過地帯が卓越し、周辺の転入超過地帯は縮小している。(D)市内移動による転入超過地帯よりも、県内移動による転入超過地帯のほうが広い。(E)大部分の地区では人口移動による居住者の性比への影響は小さいが、少数の地区では人口移動により居住者の性比の偏りが強まる。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|