2011 Fiscal Year Annual Research Report
コンテンツ産業におけるテンポラリー組織とテンポラリークラスターの国際比較研究
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22520796
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
原 真志 香川大学, 地域マネジメント研究科, 教授 (40281175)
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Keywords | コンテンツ産業 / プロジェクト / テンポラリークラスター / テンポラリー組織 / ハリウッド / 映画 / 経済地理学 / クリエイティビティ |
Research Abstract |
本研究は、国際比較実証研究により、映画・CG・アニメといった映像関連コンテンツ産業におけるクリエイティブプロセスを、企業とテンポラリー組織の戦略・ガバナンス・リーダーシップの相違という視点から分析し、さらに産業クラスターとテンポラリークラスターの果たす役割を検討することを目的とする。「上記目的を達成するため、当初はモスクワにおける調査を予定していたが、米国において長期滞在による調査の機会が得られたため、予定を変更して米国現地調査を中心に、以下の3つの調査を実施した。第1に、企業とテンポラリー組織の両方のキーパーソンに対するヒアリング調査として、米国においてリズム&ヒューズ社のキーパーソンへのヒアリングを実施した。またテンポラリー組織のキーパーソンとしては、日本ではVFXスーパーバイザーの松野美茂氏、映画プロデューサーの益田祐美子氏、同様に、米国ではVFXスーパーバイザーのKevin Tod Haug氏、アニメプロデューサーの海部正樹氏(Wowmax Media社)、映画監督のすずきじゅんいち氏、映画プロデューサーのこうもり氏を対象に実施した。第2に、コンテンツプロジェクトのキーパーソンに対してのコミュニケーション行動に関する半リアルタイム定期調査法による調査を米国のVFXスーパーバイザーであるKevin Tod Haug氏、映画プロデューサーのこうもり氏を対象に行った。第3に、映画産業の重要なテンポラリークラスターとして映画祭ではなく映画が売買される機能に特化したカンファレンスとしてAFM (American Film Market)、日本の映画をアメリカに紹介するJapan Eiga Festに参加して情報収集を行うとともに、多くの調査対象候補とのネットワーキングを行うことができた。予定していたCG関係の学会&コンベンションのSIGGRAPHに関しては、米国長期滞在調査直前のため参加は出来なかったものの、ProceedingsやDVDといった資料を入手することが出来た。Siggraphについては最終年度に再度調査を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
米国において長期滞在による現地調査の機会が得られたため、当初予定のモスクワ調査は変更せざるを得なくなったものの、その代わりに米国におけるインテンシブな現地調査が可能となり、その調査協力者も得て順調に調査を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
米国長期滞在調査のメリットを活かし、幅広く調査人脈を広げるとともに、長期にわたる継続調査により、短期間では明らかにできないプロジェクト開発の側面をじっくりと深堀りすることを試みる。海外調査では調査協力者をいかに見つけるかが課題であり、特にハリウッド映画産業においてはその点が非常に大きいが、これまでの実績と長期滞在の利点を活かして、その課題を克服していく予定である。
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Research Products
(3 results)