2010 Fiscal Year Annual Research Report
「グローカル化」時代の地域経済政策とリージョナリズム
Project/Area Number |
22520800
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
宮町 良広 大分大学, 経済学部, 教授 (50219804)
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Keywords | 経済地理学 / グローカル化 / 国土計画 / リージョナリズム |
Research Abstract |
本研究の目的は,英国およびEUの地域政策に見られるリージョナリズム(地域主義)と日本の道州制を比較研究することによって,地域経済政策における「グローカル化」のプロセスを経済地理学の視座から解明することである。本年度の計画に沿って以下の研究を遂行した。 10月には、ベルギーのブリュッセルで開催されたEU Open Days 2010:European week of cities and regions(主催・EU地域政策総局)に同局からの招請に応じて出張し、日本と欧州の地域政策の比較に関する研究報告を行った。この研究集会には、EU政府およびEU各国の行政関係者に加え、世界各国の大学研究者が参加していたため、日本における人文地理学研究および地域政策研究の成果の海外発信に少なからず貢献したものと考える。また本研究の主たる対象地域である英国の地域政策については、同分野の研究で英国を代表する専門家であるニューカッスル大学の2名の教授(John Tomaney and Andy Pike)より、研究のレビューおよび助言を受けることができた。出張期間中には、EU地域政策総局等を訪問し、EUおよび欧州各国の地域政策に関する資料収集を収集した。収集資料および購入図書等を分析した結果、EU加盟国の東方拡大に伴って、EUの地域政策が大きな改変期を迎えていることが明らかになった。 日本の道州制に関しては、平成23年2月に北海道庁を訪問し、日本でもっとも先行しているとされる北海道道州制特区の計画と現状について聴き取り調査を行った。また3月には、道州制への取組にあまり積極的とはいえない四国地方の高知県庁を訪問し、取組の進展状況について聴き取り調査を行った。なお本年度末に刊行した図書『はじめての地域学』の担当章には、本研究の成果を活用した。
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