2011 Fiscal Year Annual Research Report
地方都市における大型店の撤退行動と跡地利用に関する地理学的研究
Project/Area Number |
22520806
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
箸本 健二 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10269607)
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Keywords | 大型店跡地 / 大型店撒退 / 地方都市 / 規制緩和 / まちづくり |
Research Abstract |
本研究は,地方都市圏の2000年以降における大型店の撤退行動を取り上げ,その実態を把握するとともに,とりわけ地方都市の中心市街地における大型店跡地問題に注目し,大型店の撤退が中心市街地に及ぼした影響,及び大型店跡地の活用事例を調査・研究するものである. 平成23年度は,平成22年度のパイロットスタディの結果をふまえ,中心市街地に大型店が立地する可能性を持つ市町村合併前(平成7年)人口20,000人以上の自治体(もしくはこれらを含む合併自治体)を対象に,1)大型店撤退事例の有無,2)事例ごとの撤退経緯の詳細,3)撤退跡地の現況,4)大型店撤退・跡地利用に関する政策的対応,5)国の中心市街地活性化政策との連携,などを主な質問項目とするアンケート調査を実施した.アンケート調査は,平成24年2月に全国849市町村を対象として郵送留置方式で実施し,626自治体から有効回答を得た(回収率73.7%).概要を分析した結果,1)中心市街地に大型店が立地する自治体の約挙数で大店法規制緩和(平成2年)以降に大型店の撒退が見られること,2)大型店の撤退が中心市街地の吸引力低下に直結する事例が多いこと,3)複雑な権利関係や負債の影響で撤退跡地の再利用が遅れる事例が多く,中心市街地の活性化に深刻な影響を与えていることなどが明らかとなった. 平成24年度は,この結果をより詳細に分析して統計的な検討を行うとともに,特徴的な地域を数地域抽出してヒアリング調査を実施し,データ分析と総合して研究成果の取りまとめを行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は,平成23年8月に全国の市町村へのアンケート調査を実施予定であった.しかし東日本大震災により,撤退事例の多い東北地方が被災地域となったこと,被災地域以外の自治体でも震災がまちづくり政策に影響を与えると。予想されたことから,調査を平成24年2月に延期した.このため,学会発表など成果公表に遅れが生じているが,調査は70%を超える回奴率を得て終了し,平成24年度の研究推進に与える影響は少ない.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は平成22年度~平成24年度の3年計画で実施しており、次年度が最終年度(3年目)にあたる。次年度は、過年度の実績を踏まえつつ、以下の3ステップに沿って研究を推進する。1)アンケート調査の詳細な分析を行い、大型店撤退メカニズムの解明とその類型化を進める。2)上記の類型化を通じて、各類型の典型事例に位置づけられる地域を6~10地域抽出し、現地でのヒアリング調査を行い、詳細な情報収集と分析にあたる。3)アンケート調査およびヒアリング調査から得られた知見を精査し、地方都市のまちづくりに資する最終成果を取りまとめる。
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