2010 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国における住民主体の環境安全教育プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
22520819
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
鈴木 清史 静岡大学, 人文学部, 教授 (80196831)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 肇子 慶應義塾大学, 商学部, 准教授 (70214830)
|
Keywords | 環境保全 / 安心・安全 / 教育ツール / リスク・コミュニケーション / 危機情報 / 共有と伝達 |
Research Abstract |
本研究の目的は、発展途上国の住民を対象にした環境保全意識を高めるための教育ツールの開発である。モンゴル、インドそしてパキスタンなどのアジアの国や地域で、文化人類学的手法により現地の情報を収集し、その分析に基づいて住民主体の教材を生み出そうという試みである。 研究1年目の平成22年度には、大別すると以下の2つの研究活動を実施した。1つは既存の危機情報伝達プログラムと教育ツールの汎用性を確認し検討する。2つめは先進国で支持されている環境保全と安心・安全に関わるリスク・コミュニケーションのためのツールを収集し評価する。 最初の研究においては、具体的には、国連環境計画(UNEP)が1990年代から提唱している危機情報プログラムを分析し、その有用性を検討した。そして、既存のツールの汎用性確認のための試みは、農村開発計画が実施されているパキスタンパンジャブ州の集落で実施した。この活動では、現地の小学校を訪問し、現地教員の協力を得て、日本での防災教育ツールを用いて、その教材の基本概念の汎用性確認を試みた。その結果、日本で活用されているツールの基本概念(直感的な身体保全行動を習得させる)は、パキスタンの小学校低学年でも十分通用するといえそうであった。 この研究からは、今の段階では、次の2点が研究課題として指摘できよう。1つは、当該の児童たちが親しんでいると思われる、生活に根ざした素材を収集する。さらに、それに基づき、教材を効果的に提示するための手法を検討しなければならないだろう 2つめの主要研究活動は、吉川が中心になって実施している進国における教育ツールの資料蓄積と分析である。ここでは、ヨーロッパを中心とする諸国での、環境保全教育および安心・安全教育を目的としたコミュニケーション・ツールに着目し、収集した。
|