2011 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国における住民主体の環境安全教育プログラムの開発と評価
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22520819
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Research Institution | The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing |
Principal Investigator |
鈴木 清史 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (80196831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 肇子 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (70214830)
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Keywords | 環境保全 / 安心・安全 / 教育ツール / リスク・コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、発展途上国の住民を対象にした環境保全意識を高めるための教育ツールの開発である。インドそしてパキスタンなどのアジアの国や地域で、文化人類学的手法により現地の情報を収集し、その分析に基づいて住民主体の教材を生み出そうという試みである。 研究2年目の平成23年度には、以下の2つの研究活動を実施した。1つは前年度にパキスタンで収集した資料を分析し、発表した(本報告出版業績欄参照)。2つめは環境保全と安心・安全に関わるリスク・コミュニケーションのためのツールを収集し評価する。 最初の研究活動では、平成22年度に農村開発計画が実施されているパキスタンパンジャブ州の集落で実施した教育ゲームにかかわる資料を分析し、発表した。さらに、この成果を、現地で確認するために、再度パキスタンを訪問し、資料収集に協力してくれた教育関係者と検討会を開催した。その結果、小学校低学年を対象とする教材では、日本で活用されているツールの手法であるイラストや直感的に理解し得る短文の解説は十分通用することが確認できた。 本年度の現地訪問では、当該の児童たちが親しんでいると思われる、生活に根ざした素材を収集した。これらの基本的な考え方を整理し、研究最終年度に目標としている教材開発につなげていく必要がある。 2つめの主要研究活動は、先進国における教育ツールの資料蓄積と分析である。過去2年継続していたこの資料が、発展途上国の小学生を対象とした教材の考え方としても有効であることが、本年度の現地訪問の際に確認できている。平成24年度の活動も、新たな資料の発掘をしていくことになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去2年の研究活動において、現地での資料収集の実施と、その分析および成果発表を実施している。さらに、その成果を現地に持ち帰り、当事者の反応を確かめることでさらなる改良も可能となっている。以上のことから、現研究の進捗度は、おおむね順調であると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の課題は、以下の2点である。 (1)最終成果としての実際の教育ツールの作成をする。 (2)それを現地教育機関(小学校)で試みる予定である。 これらをうけて、成果報告を年度末に行う予定である。
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