2010 Fiscal Year Annual Research Report
インフォームド・コンセントの法社会学―動態分析に基づく行動規律モデル
Project/Area Number |
22530001
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中西 淑美 山形大学, 医学部, 准教授 (20420424)
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Keywords | インフォームド・コンセント / リスク認知 / ナラティヴ / メディエーション / 自己決定 |
Research Abstract |
22年度は研究の初年度であり、その計画は、当初の計画通り実施できた。主として文献や資料、統計、判例など、医療における自己決定にかかわる文献の検討を中心に実施した。質的学会への参加も実施し、質的検討をし、関連学会で「ナラティヴベイスドセイフティマネジメントの提案」として発表した。上記、先行研究と文献などの検討と並行して、国内外での次年度以降の本格的参与観察研究の準備のため、実施病院候補になるような施設の医療事故・インフォームド・コンセントの実態に対する医療者のインタヴュー調査を実施した。具体的には、山形大学付属病院、市立敦賀病院、大阪警察病院、石巻赤十字病院、国立循環器病センター、岩手千厩病院、北里大学病院、複数の産科クリニックなどと既に非公式の折衝で肯定的回答を得た。その結果から、わかりやすい言葉によるリスク認知や、解釈による認知のリスク、インフォームド・コンセントにおける対話の在り方に、本研究の意義、思考過程の方向性が妥当的であることを実感し、メディエーション概念の有効性の示唆を得た。 医学生についても医学教育の面から、山形大学の医学部生に、当事者の同意を得て、質的インタビューを実施し、データ調査中である。また、米国での研究計画については、ほぼ実施でき、9月に、コロンビア大学Law SchoolのCarol Liebman教授、ペンシルバニア大学のCenter for BioethicsのArthur L.Caplan、Edward J.Bergman両教授と、関連病院のMagee Rehabilitation Hospitalで、Caroline Cupp(Levy),M.Div氏、Emily Askin氏Ethics Consultationと、Consultationに関してはその欠点を、メディエーションアプローチによって改善しようとしている人とインタヴュー調査ができ、発表講演も実施した。次年度は、更なる文献研究により理論仮説を構築し、かつ研究実施準備が整い次第、研究を実施したい。次年度の計画に向けて、次の研究計画の準備はできていると考えている。
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Research Products
(13 results)