2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530004
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 正人 金沢大学, 法学系, 教授 (60237427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 康 関西学院大学, 法学部, 教授 (00195158)
石岡 浩 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (60576693)
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Keywords | 中国法史 / 唐律 / 裁判制度 |
Research Abstract |
本年度も前年度に引き続き、唐代を中心とする前近代中国裁判制度の特徴を再考するための基礎的な作業として、唐断獄律の13条から22条までの条文およびその註釈を翻訳し、年4回の研究会を通じて検討を重ねることを予定していたが、ほぼ計画通りに研究を進めることができた。各研究会の開催日時・場所および概要は以下のとおりである。 【第1回研究会】平成23年7月9日(大阪):唐断獄律13条(囚人の拘束方法に関する規定)・14条(脱獄討助の罪)・15条(死刑囚からの嘱託殺人罪)の翻訳検討および意見交換を行った。 【第2回研究会】平成23年10月29日(金沢):16条(自供翻意の教唆に関する罪)・17条(支給品不提供による囚人の虐待に関する罪)・18条(拷問免除者に対する立証方法に関する規定)の翻訳検討および意見交換を行った。 【第3回研究会】平成24年1月18日(大阪):19条(共犯者捏造に関する罪)の翻訳検討および意見交換を行った。 【第4回研究会】平成24年3月15日(大阪):20条(拷問に服さなかった場合の手続)・21条(他所にいる共犯者の喚問手続)・22条(告状に基づかない取調べの禁止規定)の翻訳検討および意見交換を行った。 なお、これまでの研究活動の中間まとめとして、断獄律の前半部分(『唐律疏議』巻29断獄上、1条~14条まで)の訳註を『金沢法学』55巻1号に掲載する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年4回の研究会を開催し、断獄律22条までの翻訳検討を終了し、さらには断獄律1条から14条までの翻訳の公表を準備する等、申請時の研究計画をほぼ予定通りに遂行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には当初の計画通り、年4回の研究会を通じて、唐・断獄律の翻訳作業を継続していくが、唐代の裁判制度を研究する上では、やはり唐・獄官令の検討も必要になってくることが予想される。予定では断獄律の翻訳作業は平成24年度中に完了するため、その後に研究期間の延長も視野に入れて獄官令の翻訳作業を新たに開始するか否かを検討したいと考えている。
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Research Products
(5 results)