2012 Fiscal Year Annual Research Report
大韓民国の成立過程における「国民」確定基準の法的模索
Project/Area Number |
22530013
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
岡 克彦 福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (90281774)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 朝鮮戸籍 / 国民国家 / 主権 / 国籍 / 大韓民国 |
Research Abstract |
本年度は、研究の最終年度として2回に渡って現地・韓国にフィールドワークを実施すると共に、朝鮮戸籍令にもとづく「朝鮮戸籍」制度の運用と機能ついて解明することを目標に研究に取り組んだ。当時の法令、戸籍例規、判例などの関連資料を再調査し、収集した。また、同研究を締めくくるために今までのフィールドワークの修正点および補正点を検証して、補足すべき資料や近時の隣接領域における先行研究を確認する作業を実施した。また、法院などを訪問し、資料の再調査を行った。 その結果、当時、統治国たる日本が現地住民の人々をどのような法形式と基準で「日本国民」に編入したのかを解明しようとした。その前身である「民籍制度」との関連から主に保護国時代の現地「戸籍」が現地の人々を認識する法的な手がかりとなった。現地戸籍から日本式の戸籍制度への転換が、韓国における近代国民国家の「国民」(臣民)を生み出す契機となったことを明らかにする。 また、朝鮮戸籍は、日本本土(内地)とは区別される外地・朝鮮に所属すべき領域を区分する「地域籍」としての機能を有する。植民地朝鮮の法体制は、内地のそれと同一ではない。台湾および関東州と共に、本土の法体制とは異なった異法地域として位置づけられた(日本帝国の多元的法体制)。朝鮮への所属は、朝鮮戸籍に登載すべきこと、すなわち、本籍地にしたがって朝鮮の人々の帰属すべき地域が決定されていたのである。この機能が、植民地の解放後、大韓民国を建国するに当たって自らの「国民」を確定する上での主要な法的根拠となったのである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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