2012 Fiscal Year Annual Research Report
地方分権・地方自治の方向性ー組織的・作用的協働関係の観点から
Project/Area Number |
22530023
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飯島 淳子 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00372285)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 公法学 / 地方分権・地方自治 / 協働 |
Research Abstract |
本研究は、「総合行政主体原理」が地方自治の基本理念との間に孕む緊張関係に対する問題意識を出発点とし、体系的な組織的・作用的協働関係の観点を有するフランスを比較対象国として、地方分権改革の方向性を大局的に把握しつつ、協働システム全体像のなかで、地方分権・地方自治のありようを探究することを目的としたものである。 今年度は、基礎理論研究を踏まえた上で、現在進行中である日本およびフランスの地方分権改革の方向性を、以下のように大きく見通そうとした。 まず、国の行政的関与・立法的関与の縮減による地方公共団体の質的独立主体性の確保が図られ、その上で、国からの事務権限の移譲による地方公共団体の量的独立主体性の確保が図られる。そして、この事務権限の移譲が、つまりは、地方公共団体に対する義務の賦課であることが認識されるや、受け皿論がアクチュアルな課題として浮上する。フランスにおいては、1980年代の第一次地方分権改革として、国家関与法制改革が行われ、第二次地方分権改革として、2003年憲法改正と2004年法律による権限移譲が行われた上で、組織面をターゲットとした2010年地方制度改革が行われるに至った。対して、日本においては、第一次地方分権改革により、機関委任事務制度の廃止が実現され、第二次地方分権改革により、法令による義務付け・枠付けの見直しが進められると同時に、とりわけ都道府県から市町村への権限移譲が図られている。そして、平成の市町村合併の推進に伴い、広域的自治体の見直し作業の一つとして、道州制の導入が論じられるに至ったが、市町村合併が一区切りとされた現在は、広域連携のあり方、さらに、大都市制度が議論の焦点となっている。かような方向性を見据えつつ、組織的・作用的協働関係のなかで、地方分権・地方自治のありようを探っていくことが、本研究の示した一つの選択肢である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)