2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530042
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
宮本 十至子 立命館大学, 経済学部, 教授 (30351315)
|
Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
|
Keywords | 国際税法 / EU税法 / 所得税 / 国際相続 / 年金 / 出国税 |
Research Abstract |
本研究は、比較法的視点で、所得税と相続税の両面から、個人の国境を越えた移動と年金課税のあり方について検討することを目的とする。 最終年度である平成24年度は、まず第一に、国境を越えた人の移動と課税管轄の喪失についての基礎的研究として、個人及び法人の両面から出国課税にアプローチし、各国国内法の出国課税とEU法との整合性に焦点をあて、欧州委員会の取組みや欧州司法裁判所の一連の動向を踏まえ、個人分野だけでなく法人分野にもHughes de Lasteyrie Saillant判決(C-9/02)の法理が適用されることを明らかにした。(「法人に対する出国税をめぐる諸問題-EUの動向を中心に-」村井正先生喜寿記念論文集刊行委員会編『租税の複合法的構成』623-642(清文社・2012))。今後の課題としては、年金のような課税繰延便益を享受した個人の国外への居住地移転に対するリキャプチャー規定とEU法との整合性について、同法理の射程の範囲を明らかにしていく必要があろう。 第二に、年金受給権について、相続税と所得税の二重課税問題を検討した(第28回関大租税法研究会「生命保険年金二重課税事件(最高裁平成22年7月6日判決)とその課題」)。国際相続税の観点からは、生命保険金、年金受給権の財産の所在地基準と二重課税問題について、引き続き比較法分析が重要であることがわかった。 第三に、「税と社会保障の一体改革」をはじめ、社会保障と税制の議論の動向を踏まえ、マイナンバーと相続税・贈与税の課題について分析した。グローバル化の進展に伴い、国外財産が増加しており、国際相続税の執行と国外財産調査制度にも触れつつ検討を行った(「マイナンバーと相続税・贈与税」税研6月号に公表予定)。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|