2011 Fiscal Year Annual Research Report
在籍出向関係の重層的分析-ドイツ労働法学の知見を糧に
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22530058
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中内 哲 熊本大学, 法学部, 教授 (70295856)
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Keywords | 在籍出向 / 企業間労働力移動 / 人事管理 / 人事権 / 真正貸借労働関係 / 労働者派遣 |
Research Abstract |
2010(平成22)年10月に追加的に採択された本研究課題の「研究実施計画」で昨年度断念した日独両国における実態調査の実現に向けて努力したが、当年度もそれが果たせなかったことは何とも悔やまれる。反面、これまで所属研究機関に所蔵されていなかった研究遂行上の不可欠な諸文献の一部をさらに積み増して購入できたことにより、わが国の在籍出向関係およびドイツ真正貸借労働関係(echtes Leiharbeitsverhaeltnis)を従前以上に分析・検討する土台を強固にできたことは、本研究課題の最終年度である来年度にとって大きな意義を有する。 在籍出向関係・真正貸借労働関係は、実務では多用されているものの、「使用者(送出企業)」対「労働者」という通常の労働契約当事者に、労働者が実際に労働力を提供している先である「受入企業」が加わるだけに、三当事者間の法律関係如何やそれに基づいた紛争の法的解決枠組みの構築には、従来さほど関心が寄せられていなかった。 本研究課題に対しては、「研究の目的」に記載したように、基本的に、ア・労働契約(法)上、イ・公法的規制としての最低労働条件設定法令上、ウ・憲法28条や労組法をはじめとする労使関係法上、以上3つの分析視角が存在するが、当年度は、当年度は、アの局面で、上記三当事者関係の内容を確定させる際に、ある意味決定的な意義を有する労働者の「同意(あるいは合意)」のあり方について、昨年度から進行させていた研究成果の一部を「判例研究」としてではあるが公にすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究の目的」で示した本研究課題の3つの分析視角のうち、アおよびイについて、「研究実施計画」で目標とした研究成果をその全てではないにしても着実に公刊できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで2ヵ年間の研究のあり方を基本的には引き継ぎ、わが国の在籍出向関係およびドイツ真正貸借労働関係の文献研究を(「研究の目的」で示した3つの分析視角のうち、とくにウに関心を寄せて)さらに深めながら、研究最終年度を迎える今年度は、いまだ実施できていない実態調査を(少なくともわが国において)どこかのタイミングで実施して文献研究の成果との融合を図り、研究成果として公表したい。
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Research Products
(2 results)