2013 Fiscal Year Annual Research Report
ガバナンスの観点からみた民事再生手続における裁判所の裁量権に関する基礎研究
Project/Area Number |
22530074
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
河崎 祐子 信州大学, 法曹法務研究科, 准教授 (80328989)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 裁量権 / 倒産裁判所 |
Research Abstract |
本研究課題は、現代の倒産処理において益々重要性を増しつつある倒産裁判官の裁量権についての考察を目的とするものである。 最終年度にあたる平成25年度には、過去3年度にわたる考察を踏まえ、研究のとりまとめ及び考察の具体化を目的として、特に以下の3点に重点を置いて考察を行った。第1に、倒産裁判官と密接な協働関係にある破産管財人の位置づけ及び機能を照射することにより、また、倒産裁判官の裁量権のあり方を画定する倒産処理の目的を浮き彫りにするものとして、第2に、破産手続開始段階においては破産手続開始原因概念の意義、第3に、手続開始後の規律をめぐっては特に対抗要件否認の意義をそれぞれ明らかにすることを通して、倒産裁判官の意義や役割についての考察を進めた。 具体的には、上記各論点について、当初の計画通り、比較法研究、歴史研究を推進し、比較法研究では、昨年度に引き続いてドイツ倒産法に重点を置きつつ、アメリカ連邦倒産法をも視野において、歴史研究では定評のある法学者の手にかかる古書を中心に、文献及び論文の入手、あるいは国会図書館蔵書の閲覧等を通して獲得した資料を精査した。このほか、隣接社会科学領域では、「支払不能」概念との関係で企業会計分野における議論との比較に資する基本資料・学術論文の収集・調査を進めた。 以上の研究成果は、平成25年度中に学術論文及び判例評釈にまとめ公表した。さらに、現時点では未刊行ながら、過去4年度にわたる研究成果をもとに破産管財人論にかかる論文の執筆を完了している。このほか、刊行待ちの原稿および判例解説が複数あり、そのいずれにも本課題の成果が十分反映されているのに加えて、著作『民事再生法の実証的研究』に結実した民事再生法研究会のメンバーとしての活動(研究会及び論文の執筆及び公表)にも、本課題を進める過程で得られた知見が少なからず反映されている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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