2013 Fiscal Year Annual Research Report
当事者引込み制度の基礎的研究-各国強制参加制度の展開と日本法への示唆
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22530087
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
佐野 裕志 専修大学, 法務研究科, 教授 (10145451)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 訴訟参加 / 強制参加 / 当事者引き込み / 呼出し / 訴訟告知 / 補助参加 / 参加的効力 / 共同訴訟的補助参加 |
Research Abstract |
1.我が国の民事訴訟法に大きな影響を与えてきたドイツ法について、昨年度までの研究内容を引き続き実施し、ゲルマン法において存在していた Adicitation とその展開、そして1877年のドイツ民事訴訟法 Civilprocessordnung の制定過程を中心に検討してきた。 Adicitaion は実体法上の追奪担保制度と密接に結びついた制度であり、古くは買主に対する追奪訴訟において売主が防御義務を負うことから、買主が売主を訴訟に引き込むことができることが出発点であったようである。その後、追奪担保制度における売主の防御義務は否定されるようになると、訴訟法の分野でもこの Adicitation は徐々に姿を消すようになった。一方、フランス法では、この売主の防御義務という観念が維持されており、そこでフランス民事訴訟法では強制参加制度が認められてきている。 つまり、訴訟手続上の不都合から Adicitation が否定されたのではなく、もっぱらドイツ実体法上における追奪担保制度の解釈問題の展開に対応して否定されるようになったことが確認できた。 2.アメリカ法には、Interpleader や Impleader と呼ばれる訴訟外の第三者を訴訟に引き込む制度があり、この制度が持つ合理性については否定的な見解は見いだせなかった。ただ、もともとアメリカ民事訴訟制度は、日本法とは異なり、1回の訴訟で解決する紛争の範囲を広いものとしており、判決の効力 Res judicata の及ぶ範囲も、我が国の既判力が及ぶ範囲よりはるかに広く、訴訟の対象となった紛争にかかわる第三者まで含まれており、この点が訴訟外の第三者を訴訟に引き込むことを正当化しているが確認できた。つまり、訴訟参加制度を理解するためには、以上のような訴訟政策的な観点も基礎としなければならないことが明らかとなった。 3.以上の他、本年度が最終年度となるため、研究取り纏めに向けての作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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