2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530108
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小川 明子 早稲田大学, 法学学術院, 助手 (90530593)
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Keywords | 知的財産権法 / 著作権法 |
Research Abstract |
追及権は、1920年以来世界各国に存在する一つの著作者の権利であるが、現在までに、日本には創設されていない。一方、欧州においては、2006年の1月に全構成国に導入されている。本研究の目的は、将来の我が国での導入を視野にいれた欧州各国の追及権制度の施行状況の検討を行うことである。 平成22年度の研究実施計画においては、欧州各国の追及権徴収状況について、各国の著作権管理団体を訪問して現状調査を行い、CISACと協力の下研究を進めることを予定し、ロンドン大学のワークショップで調査研究結果の口頭発表を計画していた。 具体的には、平成22年6月に英国を訪問し、著作権管理団体からのヒヤリング及び追及権の専門家との意見交換を行った。平成22年9月には、フランス、英国を訪問し、専門家との間での意見交換を行ったことで、各国の現状についての新たな情報が得られた。 研究発表については、上記ワークショップは延期となったが、平成22年11月に、米国ニューヨークで行われたCISAC加盟諸団体の代表者を集めた美術に関する分科会であるCIAGPに参加し、日本における追及権導入の可能性について、口頭発表を行った。そして、同11月に、フランスの追及権の第一人者であるソルボンヌ(パリ第一)大学のフレデリック・ポロー=デュリアン教授と、新潟大学名誉教授の斉藤博氏を招聘したRCLIP国際知財セミナーにおいて、司会を務めるとともに、コメンテーターとして参加した。また、東京工芸大学メディアコンテンツ研究センター主催のセミナーでは、追及権についての講演を行い、同センター主催シンポジウムでは、パネラーとして参加した。論文は、「美術の著作物等の「譲渡の申出に伴う複製」一改正著作権法第47条の2の波紋」を「知財年報2010」に掲載している。
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Research Products
(7 results)