2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530109
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
高 榮洙 帝塚山大学, 法学部, 教授 (90412121)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 著作権政策 / ISP責任 / デジタル・ネットワーク時代 / 知的財産推進計画 / 知的財産サイクル / 知的財産戦略本部 / 知的財産の創造、保護、活用 / 知的財産の紛争解決 |
Research Abstract |
韓国とアメリカとのFTA実効による著作権法改正の状況については、権利者の保護を強化するとともに利用者の利用機会の保障も考慮した法改正が行われている点が評価できる。また、裁判外紛争解決システムについては、韓国コンテンツ紛争調停委員会の運用状況が参考にすべきところが大きい。同委員会は、デジタルコンテンツの取引の特性(たとえば、取引段階における商品内容の質保証の不完全性など)を生かして、コンテンツ事業者と利用者間の紛争を円滑に解決している。 アメリカの音楽ビジネスにおいて、音楽の違法ダウンロードについては、著作権侵害の警告システム(CAS)が稼働している。つまり著作権の侵害に対して、刑事罰のような法的制裁を加える前に、4回までの警告とインターネット利用速度の低下、著作権教育の強制などの措置により、バランスよく調和を図っていることが評価できる。 今までの研究成果をまとめると、デジタル・コンテンツの保護要件について、必ずしも創作性を求める必要はないという立法態度(たとえば、韓国の場合、デジタル表現物に対して、権利付与よりは成果利益の保護という観点から法的保護、いわゆる不正競争の法理によって保護を図っている)が見られる。侵害判断について、アメリカ法制において、ISPの法的責任を緩やかにしている点(たとえば、ネット経由で、権利者にその侵害者の情報を通報する義務はないとしている)は、評価できる。 紛争解決については、デジタル・コンテンツの取引環境の特性を生かした韓国コンテンツ紛争調停委員会の運用が重要なモデルとして評価できる。 今後の残された課題としては、デジタルコンテンツの特性が著作権法制すべてを置き換えるほどの議論は見られておらず、今までの研究成果に基づく限り、いまだにその議論が続いている状況から、デジタルコンテンツについては、独自の立法の必要性も含め、今後さらなる研究が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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