2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヘゲモニー政党制の比較研究:生成・安定・解体モデルの構築
Project/Area Number |
22530134
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
岸川 毅 上智大学, 外国語学部, 教授 (60286755)
|
Keywords | 政治学 / 比較政治 / ヘゲモニー政党制 / 多国籍 |
Research Abstract |
平成22年度(1年目)は、当初の計画通り、資料収集とそのための海外調査を集中的に行ったため、成果は中間的性格のものである。 第一に、ヘゲモニー政党制の諸事例(メキシコ、マレーシア、シンガポール、台湾、セネガル)に関する資料の体系的収集を行った。とりわけマレーシア(14日間、国立図書館、マラヤ大学図書館等)、シンガポール(7日間、国立リーコンチエン図書館等)、台湾(11日間、中央研究院・近代史研究所図書館、同・人文社会連合図書館等)で実施した海外調査により、マレーシア・UMNO(統一マレー国民組織)体制の生成過程、シンガポール・PAP(人民行動党)体制の確立過程、台湾・国民党体制の確立過程および野党の形成過程に関する多数の文献資料を入手できた(なおセネガルに関して、3月に海外調査を計画していたが、東日本大震災のため取り止めた)。入手した資料の整理と分析によって、諸事例間の理解がより体系的で深いものとなり、比較研究の論文として執筆に着手した。 第二に、研究代表者にとってすでに研究蓄積のあるメキシコ・PRI(制度革命党)体制の事例に関して、研究報告「革命体制の制度化に関する考察」(シンポジウム「メキシコ革命の100年:歴史的総括と現代的意義」、1月15日、上智大学イベロアメリカ研究所主催)を行い、革命党体制の今日的意義の再考を行った。 第三に、ヘゲモニー政党制の新しい事例であるエジプト、カンボジアに関して、研究協力者(2名)の協力を得て、関連文献を入手するともに、今後の比較研究の拡大・発展にむけて検討を行った。
|