2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530136
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
石川 敬史 東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (40374178)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 大統領制 / 連邦制 / ピューリタニズム / 保守主義 / 共和主義 / 政党制 / アメリカ革命 / 政教分離 |
Research Abstract |
本研究は、アメリカ合衆国第二代大統領ジョン・アダムズ、第六代大統領ジョン・Q・アダムズ、連邦下院議員・駐英大使を務めたチャールズ・フランシス・アダムズ、および思想家ヘンリー・アダムズという、「アダムズ家」の人々の政治思想を検討し、アメリカ政治思想における、「アダムズ的なるもの」を明らかにしようという試みである。 ジョン・アダムズは、アメリカ建国の父たちの中の第一人者とされながらも、アメリカ革命の物語の中では、忘れられた人物として人々の記憶にとどまっている。その後のアダムズたちも、アメリカ政治に常にかかわりをもちながら、少数派にとどまり続け、ヘンリー・アダムズの代には、政治一族であることからも、事実上の追放をされた。 アメリカン・デモクラシーの物語における、敗者としてあり続けたこの一族の政治思想は、しかしながらアメリカン・デモクラシーにおける「何者か」であり続けた。 アメリカの政治思想における「アダムズ的なるもの」とは、①アメリカの政治文化をヨーロッパとは異なるものとして定義したこと、②身分制なき世界における市民のあり方を定義したこと、③ピューリタニズムそのものを再定義して教会秩序と市民政府との分離を定義したこと、④アメリカ外交思想をヨーロッパの伝統的な外交スタイルとは異なるものとして定義したこと、⑤アメリカ国内の地域間対立解消の理論的基礎を与えたこと、⑥アメリカにおいて、intellectualsが政治的に疎外される原理的構造を体現したこと、⑦アメリカにおける「様々な保守主義」とは異なる、アメリカ保守主義の原型を体現していたこと、などが挙げられる。 本研究で明らかになったことは、研究代表者にとっても予想を超えるものであった。それは、アメリカにおける「保守主義」の体現者とされてきた「アダムズ家」の政治思想は、本質的急進的なものであったことである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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