2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
土倉 莞爾 関西大学, 法学部, 教授 (00067703)
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Keywords | フランス選挙政治 / 2005年 / 国民投票 / EU憲法条約 / 大統領選挙 / 総選挙 / EU議会選挙 / 地域圏議会選挙 |
Research Abstract |
「現代フランス選挙政治の構造と展望」を解明することを目的として,本年度は次のような活動と成果をあげた。 具体的には、(1)錯綜する現代フランスにおける多数のさまざまな選挙の現実を相互に関連させながら総体的に掌握するために,2005年のフランス国民投票におけるEU憲法条約の批准の否決について様々な観点から分析し,研究した。フランスEU憲法条約の否決の意味は,Daniel Saugerも言うように,重要な意味を持つものであり,「なぜフランスの選挙民はEU憲法条約を否決したのか」は今後のフランス選挙構造の研究における中心的なモチーフになると確信した。 (2) 同時に、活発に展開されているフランス選挙政治学理論の成果の総合的な評価を定めることを目標にPascal Perrineau, Jean-Luc Parodi, Daniel Saugerらの著書・論文を収集し,閲読し,研究した。フランスの政治学理論は,欧米の他国からの強い影響を受けていることも考慮しなければならないことも考慮し,英米文献の収集も心がけたことは言うまでもない。 (3) さらにそれらの意味を確認するために,著書『拒絶の投票-21世紀フランス選挙政治の光景-』を関西大学出版部より刊行した。この書をまとめるにあたって,1999年EU議会選挙から2011年フランス県議会選挙までの選挙史を通観した。ここで得たさしあたりの結論は,フランスにおける選挙は,大統領選挙,総選挙から始まって,地域圏議会選挙,県議会選挙,市町村議会選挙だけでなくEU議会選挙まで多種多様な選挙が錯綜し,循環し,連動しているということである。2010年12月と2011年3月には,パリに出張して,ミッテラン図書館とドキュマンタリー・フランセーズで資料収集を行なっただけでなく,現地でフランス政治研究者と意見交換した。
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