2011 Fiscal Year Annual Research Report
中国の対中東外交と「真珠の首飾り」戦略が日米に及ぼす影響
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22530162
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
三船 恵美 駒澤大学, 法学部, 教授 (40312110)
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Keywords | 中国外交 / 「真珠の首飾り」戦略 / 日米 / 対中東外交 / 対インド外交 / 米中関係 / 日中関係 / 安全保障 |
Research Abstract |
3年計画の2年目となる2011年度に実施した研究は、中東情勢、南アジア情勢、朝鮮半島情勢、日米同盟に対する中国外交についての分析を進め、成果が得られた。その具体的な成果は、中国の南アジア外交についての分析を、5月にアジア政経学会東日本大会の共通論題と9月のインドのネルー大学における学術会議で、朝鮮半島情勢をめぐるアメリカ・韓国・日本・北朝鮮との5カ国枠組からの中国の東アジア外交についての分析を、11月に日本国際政治学会研究大会での部会で、中東・北アフリカにおける「アラブの春」をめぐる中国の政治や外交についての分析を、2月に中東調査会の機関誌で、日米中から視た中国外交についての分析を、4月に霞山会の『東亜』において、それぞれ公表した。これらの成果をもとに、2011年は研究会などで議論を重ねた。また、2011年中に執筆した英語論文2本も2012年中にインドとイギリスでそれぞれ刊行されるが、その成果は2011年に国際会議において口頭報告し、アメリカや中国、インドなどの学者との議論を重ね、国際的な学術書に掲載するレベルに達することができた。 これらの成果から、現在の中国の中東から南アジアにかかる連の外交を、個々の地域政策としてとらえるべきではなく、それぞれが有機的に密接に関連している構図を明らかにできた。 当初の申請書に記載したように、3年目の2012年度には、これらを比較検討し、中国の「個々の地域における外交分析」ではなく、「一連の包括的な外交分析」を行う計画であるが、その最終成果に繋がる基盤研究として、2011年の研究成果の意義は、十分あったと評価できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間の研究プロジェクトの2年目であった2011年には、アジア政経学会や国際政治学会における研究報告を始め研究会や国際会議などの議論を通じて、途中成果を日本や諸外国の研究者や外交官などの関連領域の公務員やジャーナリストなどと議論を重ね、論点の弱点を追求するとともに、研究が順調な成果をあげていることを実感できた。また、学術交流以外にも、時事通信のJANETや朝日新聞のWEB新書への拙稿掲載を通じて、2年間の成果を公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2011年に執筆した英語論文を、2012年にインドとイギリスで、共著として刊行することとなっている。研究成果を世界に問うことで、研究の弱点を追求していく。また、日本語論文の本年度刊行も予定している。 インドや中東の専門家との研究交流を重ねることで、双方向の外交研究を深めたい。 申請時に提出した研究計画に大きな変更点は特にない。
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