2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530166
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
伊藤 剛 明治大学, 政治経済学部, 教授 (10308059)
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Keywords | 米中関係 / 戦略的あいまい性 / 政治交流 / 政治的影響力 / 民主化 / テクノクラート / 日米中関係 |
Research Abstract |
本年度は研究費の使用開始が遅くなったため、主に海外出張によって予算を使用した。まず、中国がアジアアフリカ諸国との連携を進めていることは周知の事実だが、具体的にどのような交流を築いているかを、(1)南アフリカと、(2)タイ、(3)フィリピンにおいて調査した。次に、中国との政治交流はアメリカのみならず、中国と関係を深めるどの政府とも行われているため、(4)アメリカの最近隣国であるカナダ(ただし、米加国境付近のバンクーバー、ビクトリア)において中国との政治交流に関する調査を行った。 これらの(1)-(3)に関しては、研究協力者2人を派遣して調査に当たらせた。まず(1)に関しては、アフリカ諸国と中国との資源を通じた連携に関して、(2)に関しては孔子学院の急増に見られるように、タイには中国との間に領土紛争がなく、その意味で他の東南アジア諸国と異なって良好な関係を中国との間で築いていること、そして(3)に関しては、フィリピンにはモノづくり産業が少ないため、産業面での競争がない分、中国製品が押し寄せており、その意味で日中の産業上での競争がフィリピンにおいて展開されていることを実証した。 さらに、(4)に関しては、カナダの中でもアジア地域に面しているバンクーバーと、ブリティッシュ・コロンビア州の州都であるヴィクトリアとのを訪ね、これらの都市と中国との貿易の現状をつぶさに観察することができた。 次年度は、米中の具体的な政治交流に関して、検証を行う予定である。
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Research Products
(2 results)