2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530170
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
安江 則子 立命館大学, 政策科学部, 教授 (20268147)
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Keywords | EU / リスク管理 / EUエージェンシー / 欧州食糧安全庁 / 欧州食糧安全規則 |
Research Abstract |
ボーダレス化の進む社会において、多国家間でリスク管理のメカニズムを構築することは重要な課題である。EUにおいては、人・資金・商品・サービスの域内自由移動を実現しているが、それに伴う様々なリスクも加盟国間で共有される。本研究は、このようなリスクに関して、EUエージェンシーや関連機関が、どのような制度的対応のメカニズムを構築しているかを調査し、その実効性と課題を示そうとするものである。 22年度は、第一の事例として、EUにおける域外国境管理(移民政策)におけるEU基本権庁やFRONTEXといったエージェンシーの役割について文献調査を行った。 第二の事例として、食の安全に関するEFSA(欧州食糧安全庁)の役割、特に、GMOに関連するEUの政策との関連について資料収集を行った。GMOに関しては、関係者の見解が大きく異なるなかで、EFSAがどのような機能を果たすのか検証する必要がある。 また、食糧生産者団体および消費者団体といった関連するステークホールダーと、EFSAとのリスクコミュニケーションのメカニズムを明らかにすることも重要であり、パルマにあるEFSAへの調査訪問(23年度に実施)に備えた国内での準備を進めた。この準備の一部を、繰越金より充当した。 第三の事例として、視聴覚メディアサービスの域内自由化の進展と、それに伴うEUレベルの共通規制を検証した。未成年者や消費者保護、広告規制、公共放送の存在形式といった視点から、EU指令とその策定に至る政策過程を分析して論文にまとめた。
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Research Products
(2 results)