2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530170
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
安江 則子 立命館大学, 政策科学部, 教授 (20268147)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | EU / GMO / リスク分析 / 食糧安全 |
Research Abstract |
本研究は、EUエージェンシーのリスク管理機能を、政策分野ごとに明らかにしようとするものである。最終年度は、特に「EUと加盟国によるGMO規制」について論文を執筆した(2013年度公表予定)。本論文は、2012年3月に、科学研究費により実施したEFSA(欧州食糧安全庁、European Food Safty Authority、在イタリア、パルマ)への訪問調査および文献調査の結果に基づく成果である。 この中で、EUエージェンシーの一つであるEFSAが、GMO(遺伝子組み換え作物)に関してどのような役割を果たしてきたのかを、EUレベルでのGMO規制、加盟国における規制、そしてWTOでのGMO紛争とを関連づけながら検証した。科学的リスク評価のあり方や、EUが環境保護や食の安全において重視する「予防原則」(precautionary principle)の適用について、EUとWTOパネルの考え方には大きな相違があることを確認した。また、WTO裁定を受けて、EUがGMO承認手続きの実施を再開した後も、一部の加盟国レベルでは激しい抵抗が見られ、GMOのリスク管理(risk manegement)の問題には、科学的なリスク評価(risk assesment)とは別の次元で、複雑な社会的背景があることも指摘した。 またGMO問題について、科学的なリスク評価を任務とするEFSAに内在する一定の限界も明らかにすることができた。それは、GMO栽培のもつリスクについて、いわゆる「食の安全」にとどまらず、より広く生態系や環境、ひいては社会経済的なリスクにまで言及され、議論されるようになったことによって顕在化していることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)