2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530173
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
胡 雲芳 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 准教授 (30379466)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三野 和雄 京都大学, 経済研究所, 教授 (00116675)
|
Keywords | 経済成長 / 家庭内生産 / 動学分析 / 財政政策 / 貿易構造 / 人的資本 / 物的資本 / 開放経済 |
Research Abstract |
22年度の繰り越し分は、主に以下の2点について研究を進めた。 1.財政政策の効果を考察する際に、家庭内生産活動の最大の特徴である税金を回避できる点に注目した。家庭内で作った消費財と市場で購入する消費財の間に高い代替性を持つことは既存の実証研究で分かっており、市場活動にしかかからない各種の税金はその税率の変化が市場部門と非市場部門の間の資源配分に与える影響は無視できない。既存文献では閉鎖経済での分析が大半で、資本や財が国際間を移動できる現実の経済には当てはまらない。本研究は、家庭内生産を含んだ開放経済の成長モデルにおける資本税、所得税、消費税および政府支出がもたらす長期的効果と短期的効果を数量的に分析し、財政政策が変化(例えば、消費税の引き上げまたは資本税の引き下げ等)する際に、(1)開放経済vs.閉鎖経済;(2)非市場部門vs.非貿易部門、のそれぞれケースにおける政策効果を分析した。これらの結果を論文(Fiscal Policy in an Open Economy with Home Production)としてまとめ、海外の研究集会で報告をした。 2.歴史的なデータから見れば、経済発展に伴って非市場生産活動と市場生産活動の間の資源配分が変化する。家電の導入によって、家事労働時間を軽減する傾向がある一方、本来市場からしか調達できない商品を家でも作れるようになったため、家庭内労働時間が増える傾向もある。このような市場部門と非市場部門の間の資源配分を考慮に入れ、マクロ経済における産業間の構造変化における影響を考えた。既存文献では、閉鎖経済における分析がほとんどなので、開放経済における市場活動と非市場活動の間の資源配分の傾向を調べる必要がある。この研究に関する最新資料を収集し、新しい理論モデルの構築に入った。"
|