2012 Fiscal Year Annual Research Report
新古典派生産関数のミクロ的基礎付けと生産関数の集計問題の研究
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22530174
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
中村 勝克 福島大学, 経済経営学類, 准教授 (00333998)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 生産関数の唯一性 / 生産要素の集計問題 / 生産プロセス |
Research Abstract |
マクロ経済学における「ミクロ的基礎付け」の核として,「生産関数」という概念が存在する.この概念は様々な分析に用いられているが,多くの場合,分析者によってアドホック的に想定がおかれる.今回の研究では,マクロ生産関数の代表的なものとして「新古典派型生産関数」を分析対象にした.すなわち,新古典派型マクロ生産関数の持つ経済学的な意味を分析すると同時に,(これまでの分析では余り問題視されてこなかった)一般均衡の枠組みにおける,マクロ生産関数の整合性および唯一性を考察した. 得られた主な結論は,次の通りである.[1] 1財2生産要素の新古典派型生産関数(つまり,生産量をY,資本をK,労働をLとした生産関数)は,線型の(レオンチェフ型の)生産工程に分割することができる.[2] その分割によって,それぞれの集計された生産要素(資本Kと労働L)についても,その“中身”の分析が可能となる(すなわち,資本や労働の不均一性を,正面から扱うことが可能となる). [3] その結果,生産要素(今回の研究では特に資本に注目)の集計に伴う問題点が明確化される. なお[3]の結果は重要である.通常,集計化された資本Kと集計化された労働Lに対応する生産量Yは,ユニークに決定されて,その関係を示したものが生産関数とみなされる.しかしながら,今回の研究で見出された大きな結論は,[4] “もっともらしく”資本および労働を集計したとき,ユニークな新古典派生産関数が一般均衡の中で常に設定できる訳ではない,というものである. マクロ経済の分析をする際,多くの場合,無条件に生産関数を用いてきている.しかし,そのこと自体も十分にチェックする必要が生じる.マクロの生産関数がユニークであると想定することは,生産要素の集計化の問題と関連しており,慎重に扱わなくてはならない.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)