2010 Fiscal Year Annual Research Report
カタスロフィック・リスクに対する環境政策の動学的分析
Project/Area Number |
22530177
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
生藤 昌子 大阪大学, 社会経済研究所, 講師 (60452380)
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Keywords | 効用関数 / 期待効用 / 指数関数 / カタストロフィー / 危険回避度 / Power utility / 環境政策 / 残存価値関数 |
Research Abstract |
本研究は環境マクロ経済モデルを用いて、起きる確率は非常に低いが一度起きると経済的損失は莫大になるようなカタストロフィック・リスクに直面する経済の長期システム分析を目的として行われた。具体的には、効用関数にBurr functionと呼ばれる関数を導入し、カタストロフィーおよび単位リスク削減便益に対する価値である統計的生命価値について定義し、損害の確率分布の裾部に対応する経済主体の行動について最適化問題を議論した。本研究の成果として、1.期待効用理論の枠組みにおいて一般的によく用いられる指数・対数・べき乗効用関数などについて、確率分布の裾部の厚いカタストロフィック・リスクの存在下で政策分析が可能となるための必要十分条件を得た。2.Burr functionはカタストロフィック・リスクのもとでの経済長期システム分析に適していることを示した。さらに解析的に不可能な分析は数値分析や、シミュレーションにより定量的に分析を行いこの成果を"Expected utility and catastrophic risk in a stochastic economy-climate model","Burr utility"および"Scrap value functions in dynamic decision problems"にまとめディスカッションペーパーとして公表した。
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Research Products
(3 results)