2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22530187
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
高橋 青天 明治学院大学, 経済学部, 教授 (10206831)
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Keywords | 産業構造 / 多部門最適成長モデル / ターンパイク定理 / 資本集約度条件 / 全要素生産性 |
Research Abstract |
当該年度の研究結果は以下の3論文にまとめられている。 1)An Unbalanced Multi-industry Growth Model with Constant Returns 内容:N産業から構成される最適成長モデルを構築する。ただし、各産業部門は、産業部門独自の外生的に与えられた全要素生産性の成長率を持つ。さらに一般化された資本集約度条件のもとで、各産業の最適成長経路が、各産業の全要素生産性の成長率を持つ定常経路へ収束することが証明された。この意義は、ボーモルなどが非常に単純な成長モデルで予測した産業間の非均斉成長を、一般的な成長モデルで証明したことにある。また、序章では全要素生産性と各産業部門の成長率が密接な関係を持つことが、米国のデータで示されている。 2)An Unbalanced Two-sector Growth Model with Constant Returns 内容:1)では非常に一般的なモデルで非均斉成長が証明された。しかしながら、それを成立させる重要な条件である「一般化された資本集約度条件」の経済的な意味が曖昧になるという欠陥があった。2部門モデルに集約することで、集約度条件の経済学的意味が明確になるという利点がある。 3)Global Analysis of the Growth and Cycles of Multi-sector Economies with Constant returns 内容:上記研究結果だけでなく、これまで行ってきた、均衡成長経路が循環を起こすケースも含めた研究成果を集大成したもの。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は、これまで研究した成果が海外専門誌に掲載され、また、「Turnpike Theory Website」という英語のホーム・ページを立ち上げ、これまでの研究成果を公開することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果である3論文を、学会や国際コンファレンスで発表し、その後、海外専門誌へ投稿したい。また、これまでの研究をまとめた専門書を日本語で将来出版すべく、本年度に原稿を準備したい。昨年、科研費を使って作成したホーム・ページでは「ターンパイク理論」のサーベイを行っているが、さらに充実した内容にしたい。
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Research Products
(4 results)