2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530197
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
新村 聡 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (00167561)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 平等 / 正義 / ホッブズ / アダム・スミス |
Research Abstract |
(1)プラトンとアリストテレスの平等論を再検討し,貴族政・寡頭政・民主政の各政体における参政権の平等な分配の問題を中心にして,政体論と平等論の関係について考察した。 (2)ホッブズ『リヴァイアサン』における第2自然法と第10自然法の関係について,先行する『法の原理』および『市民論』と比較して考察し,議論がしだいに複雑化しているにもかかわらずホッブズの基本見解は不変であることを示した。またホッブズの平等論を基礎づける規範原理には,自己保存に関する利己主義的原理と「福音書の法」(黄金律)の直観主義的原理とがあり,これら両原理は古代のプラトン『法律』やアリストテレス『弁論術(レトリケ)』に示された説得術の批判的継承であることを明らかにした。 (3)アダム・スミスの平等論について,①出来高賃金,③未開社会と文明社会の比較,③所得分配の長期的動態,④課税による所得再分配,の4点を中心に考察して英語論文にまとめ,ESHET大会(2013年5月,ロンドン),アダム・スミス・セミナー(2014年3月,岡山大学)で報告した。その中で通説の一面的解釈を批判して,スミス平等論の全体像を追究した。 (4)スミスの功利主義について,正義を判断する「罪悪(demerit)の感覚」は一種の行為功利主義と見なされるべきことを論じた(2014年3月イギリス哲学会大会報告)。 (5)スミスの『法学講義』家族法論を検討し,かれの結婚制度論とジェンダー平等論について考察した(2014年5月経済学史学会大会で報告予定)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)