2010 Fiscal Year Annual Research Report
初期近代イギリスにおける「制度化された信用」とその論争的展開
Project/Area Number |
22530202
|
Research Institution | Ohtsuki City College |
Principal Investigator |
伊藤 誠一郎 大月短期大学, 経済科, 教授 (20255582)
|
Keywords | 信用 / 銀行 / 土地銀行 / 17・18世紀 / イングランド / ジェームス・ステゥアート / 公信用 / 利子 |
Research Abstract |
初期近代イギリスにおいて銀行など制度化された信用の形成についての当時の議論を、当時大量に刊行されたパンフレット類や、手紙やメモなどの手稿類の資料にもとづいて調べた。とくに今年度は、前年度から引き続く土地登記制度や利子率と信用制度の関連についての論争をまとめる作業に加え、この論争における議論を大前提として成り立っている18世紀スコットランドのジェームス・ステゥアートの信用論についても検討をおこなった。具体的には、第一に、前年度までにヨーロッパの経済思想史学会等で報告していた原稿'registration and credit'の、内容を改良し、英文校閲を経た上で英文学術専門誌に投稿。第二に、数年度前にヨーロッパ経済思想史学会で報告していた原稿'Continuity and discontinuity-the early stage of the land-bank controversy'を改良し、7月にシドニー大学で開催されたオーストラリア経済思想史学会で報告。第三、土地銀行論争関連の資料をロンドン大学図書館、大英図書館で、手稿類を中心に収集。第四、2011年5月のヨーロッパ経済思想史学会での報告に向けて、原稿'Sir James Steuart on public credit'を準備。また、その関連原稿である「17・18世紀イギリスにおける公信用をめぐる議論とリシュリュー卿」を日本イギリス哲学会で報告。
|