2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22530208
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大谷 一博 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (00106626)
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Keywords | 平均自乗誤差 / 平均自乗誤差推定量 / リッジ回帰推定量 / 不等式制約 / 混合型予備検定推定量 / 決定係数 / Pitmanの近さ規準 |
Research Abstract |
1.本研究では、線形回帰モデルにおける最小平均自乗誤差推定量と自由度修正最小平均自乗誤差推定量で構成される混合型予備検定推定量を考え、この推定量のモーメントの厳密な公式を導出した。次に、導出されたモーメントの厳密な公式を利用して、2次の損失関数を仮定した平均自乗誤差の厳密な公式を導出し、数値計算によって平均自乗誤差のパフォーマンスを調べた。その結果、回帰係数の数が3以上で予備検定の有意水準が0.25以上であれば、混合型予備検定推定量が平均自乗誤差の意味で最小自乗推定量を優越することを示した。また、予備検定の適切な有意水準を選択するための規準を考え、この規準のもとで選択される有意水準を示した。この成果は、Ohtani(2011)として公表した.なお、LINEX損失関数のもとでのリスク分析は、継続課題としたい。 2.線形回帰モデルにおけるもう一つの混合型予備検定推定量として、不等式制約付リッジ回帰推定量と最小自乗推定量で構成される混合型予備検定推定量を考え、この推定量のモーメントの厳密な公式を導出した.次に、導出されたモーメントの厳密な公式を利用して、平均自乗誤差の厳密な公式を導出し、数値計算によって平均自乗誤差のパフォーマンスを調べた.その結果、予備検定を導入することにより、平均自乗誤差のパフォーマンスはうまくコントロールされることを示した。この成果は、Namba and Ohtani(2012)として近く公表される予定である。 3,平均自乗誤差と代替的な規準のもとでの推定量のリスク分析の一環として、決定係数と自由度修正決定係数をPitmanの近さ規準のもとで比較する研究を行い、大谷(2011)として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2つの混合型予備検定推定量のモーメントの厳密な公式を導出することができ、推定量の平均自乗誤差のパフォーマンスを調べ、予備検定を行うことが、平均自乗誤差のパフォーマンスを向上させることを示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度では、主として2次の損失関数に基づく平均自乗誤差のもとでの推定量のリスクパフォーマンスについて調べた。次年度では、回帰係数を個別に推定するための混合型予備検定推定童を考え、この推定量のモーメントの厳密な公式を導出する。また、このモーメントの厳密な公式を使って、2次および非2次損失関数のもとでのリスクパフォーマンスについて調べる。
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Research Products
(4 results)