2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530221
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
芹澤 伸子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (90303106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇田 成 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 教授 (60242046)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 文化の多様性 / 習慣形成 / 知的財産 / 意匠財 / 国際貿易 |
Research Abstract |
近年我が国では文化産業やクリエイティブ産業に光が当てられ、クールジャパンのスローガンの下政府はその推進を図っており、知的財産の戦略性が脚光を浴びている。しかし経済学の理論的分析において、知的財産を具現する財や知的財産権が現実の文化的財の貿易でどのような役割を演じまた位置づけにあるのか、充分に考察されてきたとは言い難い。文化をサービスと捉えるのか、モノと捉えるのかを区別することは困難であり、貿易統計においても様々に評価される現状だ。我々はこれまで文化的財の保護の妥当性について、規範的な政策提言を行うべく理論モデルで考察を重ねてきた。そこで本年度は、(1) Serizawa and Wakita (2013), "Variety-controlling public policy under habit and addiction" において、消費の外部性を仮定し産業構造を明示化した理論モデルで文化の保護政策を考察した。また文化と知的財産の貿易に注目し、工業品(モノ)と意匠権(サービス)の二面を備え持ち、かつ文化的側面を強く反映する財を意匠財 (design right goods) と呼んでその市場構造を考察すると同時に、文化的財の保護政策に関する議論で指摘されてこなかった知的財産権の役割について、(2)芹澤(2014)「意匠財:知的財産と文化の国際貿易」、で従来欠けていた分析の視点を明確にした。具体的には、宝飾品のように工業品と意匠権の二面を備え持つと同時に、文化的側面を強く反映する財を意匠財と呼び、その市場構造を敷衍した。例えばGrossman and Shapiro (1988) は商標の最適保護に関する研究だが、意匠権の適正な評価が困難なため意匠財の対外取引は過小評価される可能性があるものの、この分野の理論的研究はなくそのギャップを埋めるべく本論では意匠財の特性を探り、背後に潜む問題を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)