2011 Fiscal Year Annual Research Report
家計と世代-家計内生産関数員の役割分担と今後の雇用制度のあり方-
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22530224
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
荒山 裕行 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (60191863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 康裕 名古屋大学, 経済学研究科, 講師 (70508522)
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Keywords | 家計内生産関数 / 世代 / 一般均衡モデル / ケア |
Research Abstract |
未来世代は、現在の世代や家族に対する発言力を持たない。しかるに、共通の社会経済問題の解決策を提示するにあたり経済学は、現在世代内の利害に重心を置いていることから、時間を視野に入れることが必要であるという観点からは最適解の特定化には至っていない。このことが我々の将来世代の在り方をいっそう不透明なものとし、また我々世代の未来世代に対する課題をより困難なものにしている。経済学的分析の中枢を成す家計内生産関数が部分均衡の枠組内で定義されている限り、世代間の分析など異時点間をまたぐ、もしくは動学的経済分析には応用できない。これは、家計内生産関数を一般均衡の枠組で定義可能な形に拡張する必要があることを示唆している。 これを踏まえ一般均衡モデルによる経済成長モデルの構築、および、その開放経済体系への組み込み、さらに可能ならば、この枠組への貨幣の存在する市場メカニズムの導入のあり方を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度までに家計内生産を含む一般均衡モデルの基本的な構築を終え、家計内行動を含む動学的経済行動の明確化を行った。このことは、一国の経済モデルにおいて世代と家計の行動を組み込むための基本的作業が完了したことを意味する。現段階での家計行動はシンプルな形に限定されているため、24年度は現実の家計行動を考慮した精緻化が必要となる。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度に行う研究活動では、23年度に構築を終えた家計内生産を含む一般均衡の枠組みに関する研究成果の公表に向けて、論文の執筆・国際会議での発表を行う。 具体的には、(1)韓国の産業活性化についての研究発表(2012年7月、韓国銀行太田支店)、(2)ウィーン大学・京都大学共同研究会「国際高等研究所プロジェクト:ケアを基盤とする社会保障システムの構築」での発表(2012年9月、ウィーン大学)、(3)日本経済政策学会国際会議(2012年10月、名古屋学院大学) 以上のような機会で研究発表を行い、関係する研究者とのディスカッションを通じ、モデルの精緻化を行い、その経済的インプリケーションを明らかにする。
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Research Products
(8 results)