2010 Fiscal Year Annual Research Report
電力セクター自由化の主要パフォーマンス指標の抽出と東南アジア主要国への適用
Project/Area Number |
22530226
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長山 浩章 京都大学, 国際交流センター, 教授 (90446617)
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Keywords | ベトナム / 電力セクター改革 |
Research Abstract |
本研究では、電力セクター自由化に関する主要パフォーマンス指標(Core Performance Indicators)を抽出し、さらにこの指標をもって東南アジアにおける3つの主要国(タイ、フィリピン、ベトナム)における電力事業の自由化の現状を時系列で評価する。さらにこれらの指標を使った相関分析等により、3カ国の電力業界における改革の方向性を提案し、今後の課題をとりまとめる。主要パフォーマンス指標(Core Performance Indicators)を構築することによって、これまでの政策の有効性を評価することができ、今後の電力セクターの政策立案にあたり大いに資することが期待される。 平成22年度は、電力セクター自由化政策の評価を行った。1)研究対象3カ国における電力基礎データの入手を行い、データベースを構築した。2)現地調査において、電力会社、環境省、エネルギー省等を訪問し、今後の電力セクター改革の方向性についての聞き取り調を行った。 特にベトナム国において、電力セクター自由化の詳細な実態調査を行い、論文にまとめた。論文の概要は以下の通り ベトナム国は、電力部門への民間投資を促進しつつ、競争による効率化、低コスト化を達成するため、周辺国の状況を見ながらステップ・バイ・ステップで電力セクター改革を進めている。しかしながら、電力料金のアンバンドリングやコストを反映した料金体系への取り組みなど評価できる点もある反面、自由競争化の下での供給責任の問題、発送電分野への投資の問題、シングルバイヤー制度の問題、キャパシティペイメントの問題、地方電化の問題、電力規制機関(Electricity Regulatory Authority of Vietnam : ERPV)の役割・業務強化など取り組むべき課題は多い。 ベトナムにおいてはセクター改革先進国である欧米や南米の制度設計における経験を考慮しつつ、ベトナムの実情に適用させながら競争と投資促進を両立することが求められる。 本稿はこうしたベトナム国における電力セクター改革の最近の取組をグローバルな視点から評価した。
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Research Products
(1 results)