2012 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品研究開発の社会的分業,価格規制,市場競争の制度イノベーション分析
Project/Area Number |
22530239
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
姉川 知史 慶應義塾大学, 経営管理研究科, 教授 (80159417)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 医薬品 / 研究開発 / イノベーション / 社会分業 |
Research Abstract |
次の3つの個別研究を行った。 「第1の個別研究」医薬品研究開発費用のシミュレーション分析を行ない,1990年代以降の研究開発費用の上昇原因を検討した。本研究では既存研究では十分に把握されない企業,大学・研究機関,バイオテクノロジー企業等の行う基礎研究の研究費に対する影響を評価した。既存研究が研究費用の平均値のみを強調するのに対して,医薬品プロジェクトの成功率,医薬品間の費用の相違を強調した。 「第2の個別研究」日本で開発された代表的医薬品数件を対象にした事例研究を行った。コレステロール降下剤,糖尿病治療薬を対象とし,データベースを利用して,研究開発のプロジェクト・ヒストリーを明らかにした。とりわけ医薬品研究開発ごとに,主たる研究者,関与した企業,大学,研究機関,関連企業等を特定し,特許情報,論文情報,ライセンス契約等により,研究開発主体の相互依存関係を調べた。この個別研究によって,医薬品研究開発の社会的分業のあり方を記述し,開発の成否を左右する決定要因を検討した。 「第3の個別研究」データベースを利用して,世界の医薬品の研究開発過程を統計的に整理し,その「様式化された事実」を明らかにした。医薬品研究開発が,国際的に,企業主体を超えて,広範な社会的分業によってなされているのか,あるいは特定地域の特定企業を中心にした狭い社会的分業によってなされているのか等の仮説を設定した。 さらに,上記の社会的分業に加えて,各国の医薬品価格,市場規模といった需要側の要因を加え,さらに企業規模,独占,寡占,M&A,企業提携,価格競争といった市場競争を強調した。ここで,世界で承認された医薬品が日本において導入がなされず,承認時期が遅れる現象について分析した。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)