2010 Fiscal Year Annual Research Report
都市形成過程を表す複雑系数理経済地理モデルの構築とその計算機シミュレーション
Project/Area Number |
22530242
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
高木 一郎 東海大学, 総合経営学部, 教授 (90226746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
顧 ウェン 東海大学, 総合経営学部, 准教授 (90352400)
田畑 稔 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (70207215)
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Keywords | 複雑系数理経済地理モデル / Master方程式 / 数理統計学的汎関数 / 確率密度関数 / 人口移動 / 社会力学 / 空間変数 / 人口密度関数 |
Research Abstract |
(1) 人口密度関数が増加する様子の数理統計学的汎関数での評価. 経済活動には人口密度関数が大きな影響を与える.社会力学のmaster方程式には,旧来の非線形偏微分積分方程式の手法が全く使えず,長らくその研究は停滞していた.これに対して情報通信システムに関する数理統計学的情報理論が進展し,伝達情報の数理統計学的汎関数(伝達情報のcapacity,同情報のentropy,確率密度関数の地理的bias指数)を用いて確率密度関数の挙動を評価する手法が開発された.本年度は,この手法を社会力学のmaster方程式の人口移動情報と人口密度関数に応用することを試みた.また,人口移動の数理統計学的汎関数(人口移動情報のcapacity,同情報のentropy,人口密度関数の地理的bias指数)を用いて社会力学のmaster方程式の解が増加する様子を評価した. (2) 数理統計学的汎関数の漸近挙動評価 社会力学のmaster方程式の積分核は,距離特異性と時間遅れの汎関数を含むため,人口密度関数を直接評価するのは困難である.しかし,社会力学のmaster方程式の両辺に,時間遅れを持つ人口密度関数を含む適当な関数をかけて,空間変数について局所的に積分すれば,数理統計学的汎関数が満足する時間遅れを持つ非線形関数方程式系が得られる.そこで,人口密度関数の増加の様子を直接評価する代わりに,人口移動の数理統計学的汎関数の漸近挙動を評価して,研究プロセス(1)の結果を利用し,解の爆発の十分条件を求めた.
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Research Products
(2 results)