2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530243
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Research Institution | International University of Japan |
Principal Investigator |
萬行 英二 国際大学, 国際関係学研究科, 教授 (30421233)
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Keywords | 家計内資源配分 / 降雨量データ / 地理データ / 家母長制 / ラオス |
Research Abstract |
観察データを用いた、家計内資源配分や家計行動の研究において、因果関係の立証には、家計所得や家計の富に対する外生的ショックが有用である。例えば、途上国の農村部における農業家計を考えた場合、家計が豊かなときと逼迫しているときを比較して、家計逼迫の際に、家計構成員の誰が食料摂取を減らすのかを考える。悪天候による農作物収穫の減少は、家計内食料配分に、家計所得の減少を通じてのみ影響を与えると考えられるため、降雨量は、既存文献で、外生変数として頻繁に活用されてきた。しかし、多くの既存文献では、降雨量と農作物収穫のパネルデータを用いて導き出された、降雨量と農作物収穫の正の相関を前提に分析がなされている。すなわち、降雨量が高ければ高いほど農作物収穫は大きくなるという仮定である。しかし、直感的に考えて、洪水は、農作物収穫に負の影響をあたえるであろう。今研究資金による研究では、既知の洪水や旱魃を外生ショックとして、家計内資源配分への影響を分析する。ラオスでは、過去に、複数の洪水や旱魃があり、農業収穫に大きな被害がでたことが記録に残っている。既存文献と異なり、今研究資金による研究では、既知の洪水や旱魃による確実な農業収穫の減少が引き起こす家計内資源配分の変化を調べることができる。さらに、地理データを用いて、地域ごとの土地の高度や主要な河川への距離を活用することにより、洪水や旱魃のデータをさらに精度の高いものとすることができる。(概して、高地や河川から離れた土地で洪水は起こらない。)ここで記された構想の下、降雨量、地理、センサス・データの収集がほぼ終わり、詳細な分析を現在行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計量経済モデルを推定して得られた結果と理論の整合性に問題があり、現在、もっと精緻な理論が必要なのか、それともデータ品質に問題があり、理論と整合性のある結果が得られないのか、検証を行っている。この作業に手間と時間を要し、進捗状況は予定より、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、ラオスのセンサス・データを主な分析データとしているが、データ品質上の問題で、理論と整合性のある結果が得られない可能性があるため、別のデータセット(Laos Expenditure and Consumption Survey 3 & 4)を使い、計量経済モデルの推定を進めている。本プロジェクトの動機や計量経済学的なidentificationはしっかりしているので、理論とデータ検証の整合性が取れれば、本プロジェクトは、この分野の文献に大きく期待できる。
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Research Products
(2 results)