2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530268
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
駿河 輝和 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (90112002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
オンパンダラ パンパキト 神戸大学, 国際協力研究科, 助教 (20510506)
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Keywords | 社会関係資本 / 出稼ぎ / 保健ボランティア / 入学の遅れ / 留年 / 中途退学 |
Research Abstract |
ラオス北部のウドムサイ県の農山村である3村での教育と健康に関するフィールド調査結果をまとめて分析している。聞き取り調査により、保健所の職員は保健ボランティアにより支えられていること、保健所が遠いとよほど調子が悪くない限り保健所には行かず薬を買って済ますこと、保健関係の研修には各家族1人の代表者を送り出すことになっており、男性が行く場合が多いことなどが分かった。また、南部のサワナケット県のいくつかの村でフィールド調査を実施してデータを収集した。教育と健康に関するデータの収集とともに、出稼ぎに関するデータも収集した。子どもの身長、体重だけでなく、親の身長、体重を聞いており、また、社会関係資本のデータも収集しているので、これまでのラオスではできなかった分析が可能となる。出稼ぎに関する聞き取りでは、タイで成功している例、仕送りで兄弟が学校に通え、生活が改善されるような良い例も多くあったが、行方不明、賃金未払い、ひどい労働条件下での仕事など、問題のある例もあった。出稼ぎのほとんどは女性で、大半は不法労働をしており、小売業に従事しているケースが多かった。ラオス統計局によるラオス支出消費調査の個票を利用して、ラオスの教育に関する幾つかの計量経済分析を行った。その結果、基礎教育における入学の遅れ、留年、中途退学を減らすことに対して重要な役割を果たしているのは、親の教育水準であり、母親の教育水準がより強い効果を持っていた。家計の所得は基礎教育の内部効率を有意に高めるが、その影響は大きなものではない。教育サービスの供給要因の影響はさほど大きくなく、しばしば有意でもなかった。
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Research Products
(4 results)