2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境制約下における日本の国際拠点空港のハブ展開に向けた戦略的研究
Project/Area Number |
22530269
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松本 秀暢 神戸大学, 大学院・海事科学研究科, 准教授 (70294262)
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Keywords | 航空旅客 / 経路選択率 / 乗り換え旅客 / 市場シェア / ハブ空港 / 国際競争力 / 国際研究者交流 / オランダ |
Research Abstract |
本年度における本研究課題の具体的な目的は、以下の2点である。 1.国際航空における基礎的データ・ベースの収集・構築とアジア地域における国際運輸政策の動向調査 2.我が国における国際拠点空港の競争力分析 上記の研究目的を遂行する上で、アムステルダム大学の研究者との共同研究の下で、主に以下の2点について取り組んだ。 (1)航空旅客の経路選択率を推定するモデルの構築 (2)構築した理論モデルとOAGデータ・ベースを援用し、我が国の主要国際空港における競争的地位の分析 (1)では、現在まで航空旅客の経路選択率は主にアンケート調査等に基づいて推定されていたが、航空ネットワーク・データから、航空旅客の経路配分/経路選択を推定する手法を提案した。 (2)では、開発したモデルにOAGデータをインプットし、我が国を出発する航空旅客を分析対象として、直行便および経由便の割合(経路選択率)、そして経由便に対しては、経由空港における市場シェアの推定を行った。その結果、直行便の経路選択率が最も高かったものの、経由便に対しては、日本に戦略的な路線展開を行っている仁川国際空港が、比較的大きな市場シェアを占めていた。その一方で、我が国の主要国際拠点空港は、乗り換え空港として十分に機能していない実態が明らかとなった(雑誌論文1~4)。 また、2010年10月末に国際線が再開された東京国際空港(羽田)について、そのトランスファー(乗り換え)空港としての競争的地位に対する効果を定量的に把握した。その結果、特に、我が国とアジア/オセアニア地域、北アメリカ地域、そしてヨーロッパ地域との間で、乗り換え旅客に対する同空港の市場シェアは顕著に増加した。これらの研究成果については、ポルト(ポルトガル)で開催された国際学会(The 14th Air Transport Research Society-World Conference)、およびベルリン(ドイツ)で開催された国際会議(The 9th Conference on Applied Infrastructure Research)において報告を行った(学会発表1および2)。
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