2013 Fiscal Year Annual Research Report
景気循環のシンクロナイゼーションと景気指標の評価開発に関する研究
Project/Area Number |
22530272
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山田 宏 広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (90292078)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 景気循環 / 景気先行指数 / 周波数領域因果性検定 / フィルター |
Research Abstract |
『景気循環のシンクロナイゼーションと景気指標の評価開発に関する研究』という研究課題のもと,平成22年度から5年間にわたって国民生活にとって重要であり,ゆえに国民の関心も非常に高い景気に関する研究を行っている。これまでのところ研究は概ね順調に進行している。ここまでの4年間に行ったバンドパスフィルターに関する研究論文は経済協力開発機構(OECD)の景気循環専門誌(Journal of Business Cycle Measurement and Analysis誌)に,周波数領域因果性検定に関する研究論文はEconometric Reviews誌に,我が国の需給ギャップの測定に関する研究論文は,Empirical Economics誌に,商品価格のトレンドに関する研究論文はJournal of International Money and Finance誌に,時変NAIRUとフィリップスカーブのパラメーターを同時推定する新手法を提案した研究論文はApplied Economics Letters誌にそれぞれ査読ののち受理され一部は既に出版されている。さらに,時変NAIRUを階段関数としての測定する方法を提案した研究論文を査読付き国際研究集会である9th International Symposium on Econometric Theory and Applicationsで口頭報告した。そのほか,我が国の内閣府およびOECDがそれぞれ計算公表している景気先行指数構成系列のパフォーマンス評価に関する研究を引き続き行った。具体的には,研究成果として得られた周波数領域因果性検定の手法を使い個別系列が景気循環周波数帯で鉱工業生産指数に因果性を有するかを確認する研究を行った。現在,OECDの景気循環専門誌から再投稿の招待を受けている状態である。これも成果とみなすことができる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
『景気循環のシンクロナイゼーションと景気指標の評価開発に関する研究』という研究課題のもと,平成22年度から5年間にわたって国民生活にとって重要であり,ゆえに国民の関心も非常に高い景気に関する研究を行っている。これまでのところ研究は概ね順調に進行している。これまでに得られた研究成果は,経済協力開発機構(OECD)の景気循環専門誌(Journal of Business Cycle Measurement and Analysis誌),Econometric Reviews誌,Empirical Economics誌,Journal of International Money and Finance誌,Applied Economics Letters誌といった評価の高い査読付き国際学術雑誌もしくは景気循環専門雑誌に掲載されている。これらは本研究が外部から高い評価を受けていることを示している。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究期間の最終年度にあたる平成26年度は,着手したものの完成に至っていないいくつかの研究を行い,研究の総仕上げを行いたい。研究期間の3年目から我が国の内閣府および経済協力開発機構(OECD)がそれぞれ計算公表している景気先行指数構成系列のパフォーマンス評価に関する研究に着手した。具体的には,研究成果の得られた周波数領域因果性検定の手法を使い個別系列が景気循環周波数帯で鉱工業生産指数に因果性を有するかを確認する研究を始めた。そして,中間とりまとめを査読付き国際学術研究集会で報告した。討論者は,OECDのGyomai氏が務めてくれた。国際研究集会で得られたコメントを基に論文の改訂に取り組んでいるものの完成に至っていない。今年度は,この研究を完成させることに注力したい。そのほか,最近,時変NAIRUの測定に関する新手法を考案し発表したが,最近になってさらに改良できることに気付いた。この研究にも取り組みたい。そのほか,次につながる研究として,ビッグデータを用いた景気指数の開発可能性を探ってみたいと考えている。
|
Research Products
(4 results)