2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530273
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
佐藤 忍 香川大学, 経済学部, 教授 (30170749)
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Keywords | SAWP / 外国人労働者 / カナダ / 農業 / 政府エージェント |
Research Abstract |
研究の初年度にあたる本年度(平成22年度)の目的は、農業分野における外国人労働者の雇用について研究し、日本にふさわしい労働力輸入の方向性を模索することである。そこでまず計画にしたがって日本一のレタス産地である長野県南佐久郡川上村および園芸王国といわれている茨城県鹿行地域、それぞれの代表的な第一次受け入れ機関(村役場、農協など)に対する訪問調査を実施し、正確な実態把握につとめた。訪問調査にもとづく研究成果については年度中の発表はできていない。他日を期したい。 訪問調査と平行して、農業における外国人労働者雇用のモデルケースとして注目されているカナダのSAWP(Seasonal Agricultural Workers Program)について研究を深めた。これについては『香川大学経済論叢』第83巻第4号、2011年3月、273-311頁、として研究成果をとりまとめた。とくに次の点が重要である。SAWPはカナダにとって非伝統的な雇用依存型農業である園芸農業に限定して外国人労働力を供給するプログラムである。まさに日本農業において観察される外国人雇用は野菜などの園芸作そのものであり、この点においてもSAWPはきわめて参考になり得る仕組みである。農業労働はとりわけ働き方の法的な整備が遅れている分野であることから、カナダ政府はこの点に関して送り出し国とのあいだの政府間協定にもとづき外国人労働者の労働基準を設定し、かつそれを現地でモニタリングする役割を送り出し国政府エージェントに付与している。雇用契約には雇主と労働者だけではなく、政府エージェントも署名をしており、公的な性格が強い点が大きな特徴である。不正行為を可能なかぎり未然に排除する仕組みとして評価できる。
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Research Products
(1 results)