2010 Fiscal Year Annual Research Report
中国の地域環境整備におけるソーシャルインクルージョンの役割に関する調査・研究
Project/Area Number |
22530279
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
内藤 二郎 大東文化大学, 経済学部, 教授 (50365855)
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Keywords | 地域経済活性化 / 環境政策 / 地域コミュニティー再生 / 産官学の協働 |
Research Abstract |
平成22年4月以降独自の研究として進めていた日英の研究サーベイ、理論的枠組みの構築、内モンゴル関係者・調査協力者との協議などの成果をもとに、秋以降に本研究プロジェクトを開始した。第1回調査として、10月~11月初旬にかけてJICA北京事務所関係者、北京大使館開発援助担当者、上海総領事館関係者等と面談し、内モンゴルの砂漠化の状況、政府、企業、NPOなどの活動状況や協働の実態に関する調査を実施した。この調査で政府とNPOの協働の事例について貴重な情報が収集できたほか、地元政府とのネットワークの構築にも成功し、今後の調査に極めて有益である。また、2011年2月~3月初旬にかけて、第2回調査として内モンゴル自治区の赤峰市、林東市、南チャイダム集落において、砂漠化対策と協働の実態調査、従前からサポートしている合作社へのヒアリングと意見交換を行った。牧民や農民に、合作社としての活動に対する関心や自立意識の高まりが感じられた。また、内モンゴル自治区内の基層レベル政府関係者との懇談も行い植林による砂漠化の抑止、環境に配慮した農業、放牧と飼育を融合した畜産業など、持続可能な農業・牧畜・林業の複合経営モデル構築の検討を開始した。他方、内蒙古大学社会科学系の教授陣の協力により、牧民の生活実態調査の元データと資料が入手でき、現在解析を進めている。これらをもとに、現地のニーズを把握しつつ、NPO/NGOやボランティア、社会的企業、地域コミュニティーの役割や機能を検証し、中国型の社会経済システムの構築を検討することが平成23年度の重要な課題となる。現在、内蒙古大学民族与社会学院・オユンビリク教授と共著論文を執筆中である。併せて、文献の渉猟を集中的に進めると同時に平成23年度の調査スケジュールもほぼ固まり、研究環境の整備に引き続き努めている。
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