2012 Fiscal Year Annual Research Report
育児休業取得後の復職率および出産・育児期における休暇制度に関する分析
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22530293
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Research Institution | Hannan University |
Principal Investigator |
西本 真弓 阪南大学, 経済学部, 教授 (00388604)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 育児休業 / 子の看護休暇制度 / 配偶者出産休暇制度 |
Research Abstract |
今年度の研究実施計画は、育児休業取得後の復職率に関する研究を学術論文として投稿すること、そして、子の看護休暇制度の利用に関する分析にも着手することであった。育児休業取得後の復職率に関する研究については、学会報告やワークショップでの研究報告で頂戴したアドバイスに基づき加筆、訂正などを行い、現在、学術論文として投稿中である。 また、子の看護休暇制度の利用に関する分析に関しても、計画通り、厚生労働省が実施した『女性雇用管理基本調査(現在は『雇用管理基本調査』)』の個票データを用いて予備分析から着手し、実証分析を行った。子の看護休暇制度の利用に関する分析では、看護休暇の取得者割合及び平均取得日数に影響を与える要因の推定を行ったが、明らかになったのは以下の通りである。 (1)子の看護休暇取得中の賃金が有給または一部有給の場合、取得率が上昇し、取得日数も多くなるという有意な結果が得られた。(2)子の看護休暇制度の有無に関しては、男女ともに事業所規模100人未満の場合、看護休暇制度があると取得が抑制され、事業所規模100人以上で女性の場合、取得が促進されるという結果が有意に示された。 本研究では、育児休業取得後の復職率、配偶者出産休暇制度の利用、子の看護休暇制度に関して3つの実証分析を行う予定である。育児休業取得後の復職率、子の看護休暇制度については、上記の通りすでに分析に着手しているが、配偶者出産休暇制度の利用に関しては、厚生労働省の『雇用管理基本調査』の個票データを入手するための申請書作成が終了し、現在、申請の手続き中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、(1)育児休業取得後の復職率、(2)配偶者出産休暇制度の利用、(3)子の看護休暇制度に関する分析を、(1)から順に行う予定であった。途中、(2)と(3)の順を入れ替えて分析に着手することにしたが、達成度の視点からすると、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
育児休業取得後の復職率に関する研究は、学術論文として投稿中である。また、子の看護休暇制度に関する研究は分析が終了して論文作成に着手している。今年度の学会で報告する予定で、現在、報告準備を進めている。 一方、配偶者出産休暇制度の利用は、データ入手ための申請書の作成を終了して申請の手続きを行っているところである。データ入手後は、分布及び記述統計量を確認した後、予備分析、実証分析へと進め、分析結果が得られたら速やかに論文作成を行う予定である。本研究を遂行する上での問題点は、今のところ特にない。
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Research Products
(1 results)