2012 Fiscal Year Annual Research Report
インドの産業発展と地場企業:研究開発における企業間関係を通じた企業の能力形成
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22530296
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
島根 良枝 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (70450525)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | インド / 産業発展 / 地場企業 / 技能形成 / 企業間関係 |
Research Abstract |
1.企業調査を実施 平成23年度に引き続き、当初予定通り平成24年度にも企業調査の準備と実施を行った。具体的には、①調査依頼状、質問状の修正、②業界団体、企業への調査協力依頼、③アポイントのアレンジ、④実際の企業訪問調査、⑤実際の企業訪問調査、⑥調査結果の精査と必要に応じた再確認を行った。 2.取得したデータの分析 上記企業調査で個別企業についての詳細なデータを得たとともに、指標の数では劣るものの企業数の多い年次工業統計の個票データを入手し、両者の整理・分析を行った。24年度中にはとりわけ、企業調査で得られた結果を使って、個票データ中の企業が、価値連鎖体系の中でどこに位置する企業なのかを判別できるかどうかの検討に注力した。そうした検討が必要になった背景としては、23年度の調査中に判明したように、世界的金融危機の影響や景気の減速傾向が続く中で、優良な中間財生産者を確保しようとする企業間の競争が以前にも増して激しくなっており、企業調査によっては、中間財生産者を調査するために必要な中間財生産者に関する情報を得ることが非常に難しくなったことがある。そこで、同年度の研究実績報告書中で検討課題としたように、企業調査と、個票データ分析のバランスを再考する必要が生じていた。まだ最終的な判断はできないが、24年度に行ったデータ分析からは、個票データ中の指標を工夫することによって、最終財生産者、中間財生産者、より下次の中間財生産者の判別が可能であるという暫定的な結果を得ることができた。 3.金融面の問題について原稿を執筆 現地調査で得られた知見を活かして原稿を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で記したように、24年度には、個票データをいかに活用できるかの重要性が高まったため、個票データ中の指標を工夫することによって、最終財生産者、中間財生産者、より下次の中間財生産者を判別する方法を検討する必要があった。最終的には、それらの判別が可能であるという暫定的な結果を得ることができたが、昨年度購入した個票データに不備があったため、データを整理して判別が可能であるかどうかを検証する作業に非常に時間がかかってしまった。そのため、暫定的な結果をもとに現地で報告を行う予定を延期せざるを得なかった。 データの不備とは、パーマネントシリアル番号の記載漏れや誤りであり、2013年1月に現地調査に行った際に同じデータセットを再度入手することによって解消し、その後、判別が可能であるという暫定的な結果を得ることができた。 24年度に生じた遅れは、25年度の早い段階で現地で報告を行うことにより解消したい。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの達成度中に記したように、入手したデータの問題から、データを整理する作業に非常に時間がかかってしまったため、暫定的な結果をもとに現地で報告を行う予定を延期せざるを得なかった。再入手したデータでは問題が解消されたため、企業調査の結果と双方を活用した中間的な報告を25年度には確実に実施する予定である。 とりわけ、個票データ中の指標を工夫して最終財生産者、中間財生産者、より下次の中間財生産者の判別する方法などについて、現地の研究者から早い段階でコメントを得てその後の研究に活用したい。
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Research Products
(1 results)