2013 Fiscal Year Annual Research Report
インドの産業発展と地場企業:研究開発における企業間関係を通じた企業の能力形成
Project/Area Number |
22530296
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
島根 良枝 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (70450525)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | インド / 産業発展 / 地場企業 / 技能形成 / 企業間関係 |
Research Abstract |
本研究は、インドにおいて特徴的な「地場企業を頂点(最終財生産者)とした価値連鎖体系」の実態と、それが産業発展に与える影響を検証しようとするものである。 平成25年度の研究実績として、まず価値連鎖体系の実態に関しては、平成24年度までに行った企業調査とインド工業統計の双方を用いて、主要な組立加工型機械産業について確認作業を進めたところ、同じ産業であっても地域によって価値連鎖体系のあり方の異なる場合があると判断された。当初は、地場企業が価値連鎖体系の頂点に位置する産業とそうでない産業を比較考察する予定であったが、同じ産業でも地域によって価値連鎖体系のあり方が異なるという実態を反映させ、産業によっては、異なる地域に存在する複数の価値連鎖体系を分析した。また、頂点に位置する企業を地場企業、外資系企業のいずれと判別するかについて、時期によって違いのある産業・地域や、判別の難しい産業・地域があったため、両者の拮抗型という類型を新たに設けた。 次に、そうした価値連鎖体系のあり方が産業発展に与える影響については、幾つかの初期の仮説のうち、地場企業を頂点とする国内価値連鎖体系において、(1)国内で製品開発が行われやすい、(2)企業間分業の程度や範囲が大きい、(3)中間財生産者の能力形成が促進されやすい、の3点を中心に考察した。 暫定的な考察結果の概要は、(1)の仮説は支持されなかった。(2)については、分業の程度や範囲を測る指標として取引品目の範囲を用いると、最終財生産者の3類型間で有意な違いを確認できなかった。(3)については、中間財生産者の成長を生産の伸びという量的な指標でみると外資系企業の方が速いという結果になった。そこで、(1)については製品開発に関するデータを改善し、(3)については生産品目の高度化という質的な指標でみるという改善を図る作業を行った。その上で仮説を再度検証中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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