2010 Fiscal Year Annual Research Report
リスクプレミアム分解による投資行動と株価変動の因果関係に関する研究
Project/Area Number |
22530324
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
乾 孝治 明治大学, グローバルビジネス研究科, 教授 (60359825)
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Keywords | 金融論 / 金融工学 / 行動ファイナンス / マイクロストラクチャー |
Research Abstract |
論文サーベイとヒアリングを通じて,投資家の投資行動が株価に及ぼす影響を解明するにあたって最初に取り組むべき具体的な研究対象を,特に短い時間軸で相対的に大きな影響を市場価格及ぼしていると想定される機関投資家や裁定取引業者に注目することとした,具体的には,日経225銘柄とその先物に関連する裁定取引やバスケット取引における価格形成の分析から精査する方針とし,分析に必要な日中株価データ(ティックデータ)の整備を行った.ティックデータは1/1000秒のタイムスタンプを持つ個別株・先物の取引データであり,その量は莫大である(日経225銘柄で1日分が約2GB).研究用PCを始めとするインフラとティックデータの整備を行い,基本的な分析を遂行するための環境を整えた. 日経225現物のビッド・アスク,および先物に関する1/10秒間隔の動きを観察した結果,バスケット取引の頻度や大きさ,先物と現物価格へのインパクトなどについての基本的な統計を観察できるようになった.また,裁定取引と思われる売買の具体的な方法が,現物・先物間のスプレッドが拡大してから注文が入るのではなく,最初から先物マーケットに置かれている注文が捌けていくに応じて現物側にバスケット注文が入る傾向があることが確認された. こうした裁定取引が,一般に言われるように,市場に対して真の流動生を供給しているのか,その精査を進めるために,東証で2010年1月から稼働している東証の新取引システム(アローヘッド)が価格形成に与えた影響についてのイベントスタディを実施すべく準備を進めている.
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