2012 Fiscal Year Annual Research Report
階層的政府構造における財政的外部性と財政調整制度に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
22530328
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
菅原 宏太 京都産業大学, 経済学部, 准教授 (90367946)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國崎 稔 愛知大学, 経済学部, 教授 (70254464)
篠崎 剛 東北学院大学, 経済学部, 准教授 (80467266)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 財政的外部性 / 財政移転 / ヤードスティック競争 / 介護保険 |
Research Abstract |
本研究の目的は次の二点である。第一は,階層的政府構造における財政的外部性問題と財政調整制度について理論的に分析することである。そして第二に,得られた理論的帰結に基づいて,日本の中央-地方および地方政府間における財政的外部性を実証的に分析し,日本での地方分権化における財政調整制度のあり方について検討することである。 本年度は次の5点について研究した。第1に,第1号被保険者の介護保険料決定に対する外部性問題および上位政府からの財政移転の効果についてである。財政移転としての調整交付金と高齢者の政治的圧力を基にした一種のヤードスティック競争によって保険料負担と介護給付費とのリンクが曖昧になっている可能性が明らかになった。第2は,財政協調政策における財政移転の検討である。実証分析の結果,財政移転の無い自発的な協調行動だけでは適切な協調を実現できないことが分かった。第3は,地方分権化と地域経済成長のシミュレーションである。地域間の交易状況によっては地方分権化が地域経済成長を促進しないケースあることが分かった。第4に,財政外部性と財政移転に対する政治経済活動の影響についてである。下位政府からのロビイング活動によって財政移転の水準がゆがむことが確認された。最後に,垂直的な財政外部性と財政移転と公的中間財供給のあり方についてである。上位政府の公的中間財供給が一種の補助金の役割を果たすことで下位政府の供給水準を効率的にできることが分かった。 平成25年3月には,本研究グループとカターニア大学(イタリア)公共経済研究グループの共催によって国際研究フォーラム(於 京都産業大学)を開催し,地方財政に留まらず広く外部性問題に関連するテーマについての最新の研究が発表された。またそれらに基づく活発な意見交換が日伊の参加者(総勢34名)によってなされた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|